病気の解説
筋緊張低下
受診の目安
筋緊張低下では、原因の病気により、筋肉の衰えや関節の動きの制限、呼吸障害、発達の遅れ、知的障害、けいれん、意識障害などを伴うことがあります。こうした症状が続く・繰り返す・だんだん強くなるときや、不安があるときは、脳神経内科を受診してください。市販薬などで改善しないときも相談の目安です。
基本
概要
筋緊張低下は、筋肉の張りが弱い状態を指します。筋緊張は触ったときの硬さや関節の動かしやすさで評価され、低下すると手足がだらりと垂れ下がる、足が床につくのがベタっとする、首のすわりが遅いなどの特徴がみられます。原因には神経や筋肉の病気、中枢神経の障害などがあり、大人にも起こり得ますが、多くは新生児や幼児でみられます。代表的な病気として、筋ジストロフィーの一部(DMD/BMD)や福山型筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症(SMA)などがあります。筋緊張低下は生活の質を下げることがありますが、原因により命に関わることもあります。
主な症状
筋緊張低下では、筋肉が柔らかく触れ、収縮しにくい感触が特徴です。赤ちゃんでは手足がだらりと垂れ、足が床につく、首がすわりにくい、哺乳力の低下、泣き声が弱い、腋を抱かれたときに肩が脱臼しやすいこともあります。筋力低下を伴うことが多く、全身の筋力が低下する場合もあれば、手足の末梢が中心の場合もあります。原因の病気により、筋肉の衰えや関節の動きの制限、呼吸障害、発達の遅れ、知的障害、けいれん、意識障害などを伴うことがあります。 DMDでは腓腹筋の仮性肥大が見つかることがあります。
原因
筋緊張低下の原因として、筋力そのものの病気、筋肉につながる神経や神経と筋の接続部の異常、中枢神経系の異常の三つが挙げられます。
病態
筋緊張が低下すると筋肉の収縮が起こりにくくなり、柔らかく感じられます。これが体のあちこちで現れることがあり、原因疾患により全身の筋力低下や関節の可動域の制限、呼吸障害などにつながることがあります。
検査と診断
診断
診断では、視診・触診・動作で筋緊張低下の特徴を確認します。その後、筋電図検査が行われることが多く、遺伝子が原因の病気が疑われる場合には遺伝子検査をします。必要に応じて血液検査や神経伝導検査、筋 MRI、頭部の画像検査、心エコー、呼吸機能検査、脳波、筋生検などが行われることがあります。例えばSMAが疑われる場合には血液検査・神経伝達検査・筋電図・筋 MRIを経て遺伝子検査へ進むことがあります。
治療
治療
筋緊張低下の病気の多くは国の難病として扱われ、治療法が確立しているものとそうでないものがあります。治療は原因となる病気の症状を和らげる対症療法が中心になることが多く、リハビリテーションや状況に応じた装具・車いすの使用、薬物療法や手術が検討されることがあります。呼吸不全や飲み込み困難など命に関わる症状がある場合には、気管内挿管や経管栄養などの処置が必要となることもあります。
脳神経内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: Medical Note(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。