病気の解説

網膜中心動脈閉塞症

まず相談する診療科眼科
関係する症状見えにくい・かすむ
この解説の項目9項目

緊急性の高い症状

突然、片目が見えなくなった(痛みを伴わないことが多い)ときは、ただちに眼科または救急を受診してください(時間が勝負です)。

当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。

受診の目安

見え方の異変に気づいたら、すぐに眼科を受診してください。

基本

概要

網膜中心動脈閉塞症は、網膜に血液を送る主な血管が詰まる病気です。詰まると網膜への血流が途切れ、急激に視力が低下します。発症後は緊急の対応が必要な眼科救急疾患として扱われます。中心の動脈が詰まると網膜全体の血流が止まりやすく、視力の著しい低下を引き起こすことが多いです。血管の枝が詰まると、視野の一部が見えにくくなる BRAO という状態になります。

主な症状

多くは突然、片方の目が真っ暗になるように感じ、視力が極端に下がります。痛みはありません。視力が0.1以下になる場合もあります。血流がごく短時間で自然に回復することがあり、その場合は一過性黒内障と呼ばれますが、脳梗塞の前兆である可能性があるため、詳しい検査が必要です。急に見えにくくなる、急に視野がかけるといった症状もみられます。

原因

主な原因は、動脈硬化や高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病です。これらの病気により血管内にできた血栓やコレステロールの塊が眼の血管を詰まらせます。心房細動などの心疾患や頸動脈の動脈硬化も原因になり得ます。若年者では膠原病などの自己免疫疾患や高凝固状態が原因となることがあります。

病態

網膜中心動脈が詰まると網膜への血流が途絶え、網膜が酸素や栄養を十分に受けられなくなります。発症から短時間で網膜の細胞が障害されるため、視力の急激な低下につながります。

検査と診断

診断

眼底検査では網膜が白く濁り、中心部の黄斑にチェリーレッドスポットと呼ばれる赤い点が見られることがあります。光干渉断層計(OCT)で網膜のむくみや血流の低下を確認します。蛍光眼底造影検査(FA)では詰まった血管の範囲や血流の途絶を確認できます。再発予防や原因を探るため、頸動脈エコー検査や心臓超音波検査、血液検査など全身的な検査も行われます。

治療

治療

発症から時間が経つほど網膜のダメージは進みます。発症直後(数時間以内)には血流を回復させるため、眼球をマッサージ、酸素吸入、点眼薬や内服薬で眼圧を下げる、血管を拡張させる薬剤の点滴や吸入などの治療を試みます。これらの治療で血流が再開すれば視力が部分的に回復することもありますが、完全な回復は難しい場合が多いです。経過中には血管新生緑内障を合併して眼圧が上がることがあるため、定期的な経過観察が必要です。再発や脳梗塞を防ぐためにも全身疾患の管理が重要とされています。

経過と生活

予防

再発防止のためには高血圧・糖尿病・脂質異常症などの全身疾患の管理を徹底することが大切とされています。

網膜中心動脈閉塞症と関係する症状

症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。

眼科で扱うほかの病気

出典

参考: 日本眼科学会(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)

この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。