病気の解説
転移性下垂体腫瘍
受診の目安
転移性下垂体腫瘍は、がんが脳の下垂体(ホルモンを出す器官)に広がった状態で、がんの治療中の方に見つかるほか、下垂体の病変がきっかけで初めてがんが見つかることもあります。次のような症状に気づいたら、がんの治療を受けている主治医に早めに伝えてください。
- 尿の量や回数が増えた、のどが渇いて水を多く飲むようになった
- 見えにくい、見える範囲が狭くなったなど、視力や視野の異常がある
- 強いだるさや活動する気力の低下が続く
だるさなどは、がんそのものや治療の影響と区別しにくいことがあります。気になる変化は遠慮せずに相談しましょう。検査や治療は、主治医と内分泌内科・脳神経外科などが連携して進めることがあります。
症状だけで病名は判断できません。治療中の方は、自己判断で治療を中断しないでください。
出典:日本内分泌学会「転移性下垂体腫瘍」、難病情報センター「下垂体性ADH分泌異常症」
基本
概要
転移性下垂体腫瘍は、がん細胞が下垂体というホルモンを分泌する器官に転移する病気です。最近では、がん患者の治療成績が向上しているため、無症状のケースも含めてこの病気が発見されることが増えています。下垂体腫瘍の中で転移性のものは約1%を占めているとされていますが、がん治療中の患者の中では約5%が下垂体への転移を示すことが報告されています。
主な症状
転移性下垂体腫瘍の初発症状として、多尿が40%から75%の患者に見られます。また、腫瘍が上方に進展すると、眼の神経を圧迫し、視力や視野に障害が生じることがあります。さらに、下垂体ホルモンの分泌が障害されると、倦怠感や活動性の低下などさまざまな症状が現れることがありますが、これらはがんの進行に伴う全身の衰弱と混同されることがあるため、注意が必要です。
原因
転移性下垂体腫瘍は、主に肺癌、乳癌、腎癌からの転移が多く見られます。2015年の全国調査によると、患者の平均年齢は59歳で、男性にやや多く認められています。また、がんの既往がない場合でも、下垂体の病変がきっかけでがんが発見されることもあります。
治療
治療
転移性下垂体腫瘍の治療では、まず下垂体機能障害を持つ患者には適切なホルモン補充が行われます。視力や視野に障害が進行している場合、全身状態が良好であれば、鼻腔からの経鼻経蝶形骨洞手術が検討されます。この手術では腫瘍の全てを摘出することは難しいため、診断を確定し、視神経への圧迫を解除することが目指されます。その後、放射線治療を行い、腫瘍の増殖を抑えることが重要です。
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出典
参考: 転移性下垂体腫瘍|一般の皆様へ|日本内分泌学会(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:日本内分泌学会「転移性下垂体腫瘍|一般の皆様へ」 / 難病情報センター「下垂体性ADH分泌異常症(指定難病72)」(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。