意識障害
臨床医学
はじめに
意識障害とは、周囲の状況を正しく認識できない状態や、覚醒レベルが低下して外界からの刺激に対する反応が鈍くなった状態を指します。軽度なものから重篤なものまで段階があり、迅速な重症度評価や医療機関への対応が求められる重要な病態です。
何を指すか
意識障害は、脳の覚醒機構や広範な大脳皮質機能の障害によって引き起こされます。程度に応じて傾眠、昏迷、半昏睡、昏睡などに分類され、最も重篤な昏睡ではいかなる強い痛覚刺激にも全く反応を示さなくなります。また、意識混濁を背景に幻覚や錯覚などの知覚異常を伴う一時的な意識変容状態はせん妄と呼ばれます。
方法
意識障害の評価には、我が国で広く用いられているJapan Coma Scaleや、国際的な基準であるGlasgow Coma Scaleが用いられます。刺激に対する反応性や開眼・言語・運動機能を確認し、意識の深さや重症度を客観的かつ迅速に評価します。
国家試験のポイント
国家試験では、傾眠や昏迷、昏睡といった意識障害の各段階における刺激に対する反応性の違いを正確に区別することが問われます。また、意識障害を伴うクスマウル呼吸などは重篤な代謝性アシドーシスを示唆する緊急性の高い病態であり、鍼灸治療の絶対的な禁忌として医療機関への受診が優先される点が頻出です。
間違えやすいところ
容易に覚醒する軽度の障害である傾眠と、強い刺激でやっと反応する中等度から重度の障害である昏迷の違いを混同しないように注意が必要です。また、意識レベルの低下が中心となる通常の意識障害と、意識混濁を背景に幻覚や錯覚を伴う急性脳機能障害であるせん妄の違いを整理して覚えることが重要です。