次の文で示す症例に対する罹患筋への局所治療穴として適切なのはどれか。「17歳の男子。陸上部で長距離走をしている。ランニングを開始すると下腿前方に痛みと腫れが出るが、数十分の安静で症状が消失する。近医で前方コンパートメント症候群と言われた。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
前方コンパートメント症候群は、下腿の前面に位置する前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、第三腓骨筋などの筋群が関与します。これらの筋は主に足関節の背屈と趾の伸展を司り、特に前脛骨筋は胃経に属します。下合穴は六腑に特有の要穴で、病症が経絡の浅い部分から深い腑に伝わった際に用いることが多く、下腿に位置する胃経の下合穴である足三里は、胃の疾患治療だけでなく、下腿の症状にも広く用いられる重要なツボです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。前方コンパートメントには主に前脛骨筋があり、これは胃経に属します。小腸の下合穴である下巨虚は胃経のツボですが、胃経の合穴である足三里が下腿前方部の治療に広く用いられます。設問の意図は前方コンパートメント症候群に対する局所治療穴であるため、下巨虚が胃経のツボとして適切と判断されます。また、小腸の下合穴は下巨虚(胃経)であり、下腿前方に位置し、前方コンパートメント症候群の罹患筋への局所治療穴として適切です。
- 2. 膀胱の下合穴は委中であり、これは膝窩部に位置し、主に後方コンパートメントやハムストリングの疾患に関連が深いため、前方コンパートメント症候群には適切ではありません。 正しくは:膀胱の下合穴は委中(BL40)であり、膝窩部に位置する。前方コンパートメント症候群には胃経のツボである足三里や下巨虚が適切。
- 3. 三焦の下合穴は委陽であり、これは膝窩部、委中の外側に位置し、膀胱経に属します。前方コンパートメント症候群の治療点としては適切ではありません。 正しくは:三焦の下合穴は委陽(BL39)であり、膝窩部に位置する。前方コンパートメント症候群には胃経のツボである足三里や下巨虚が適切。
- 4. 胆の下合穴は陽陵泉であり、これは下腿外側、腓骨頭前下方に位置します。主に下腿外側や膝関節外側の疾患に関連が深いため、前方コンパートメント症候群には適切ではありません。 正しくは:胆の下合穴は陽陵泉(GB34)であり、下腿外側に位置する。前方コンパートメント症候群には胃経のツボである足三里や下巨虚が適切。
国試ポイント
下腿前面のコンパートメントと、関連する経絡(胃経)、およびその経絡に属する下合穴(足三里)の知識を覚えることが重要です。
混同注意
下合穴は六腑それぞれにありますが、どの経絡の疾患に対してどの下合穴を用いるか、また特定の筋群と経絡の関連性を正確に理解する必要があります。特に十二経脈の流注と各経脈が支配する部位、およびその部位に関連する症状を混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
下腿のどの部位の症状か(前方、外側、後方など)を特定し、その部位を支配する主な経絡が何か、そしてその経絡に属する下合穴がどれかを確認して判断します。
覚え方
下腿のどの部位の症状か(前方、外側、後方など)を特定し、その部位を支配する主な経絡が何か、そしてその経絡に属する下合穴がどれかを確認して判断します。
対になる知識
下合穴は六腑それぞれにありますが、どの経絡の疾患に対してどの下合穴を用いるか、また特定の筋群と経絡の関連性を正確に理解する必要があります。特に十二経脈の流注と各経脈が支配する部位、およびその部位に関連する症状を混同しないように注意が必要です。
関連知識
前方コンパートメント症候群の病態生理、好発年齢・性別、症状(運動時痛、安静で症状消失など)、鑑別疾患(シンスプリント、疲労骨折など)を合わせて覚える。下合穴は六腑にそれぞれ対応し、胃の下合穴は足三里(胃経)、大腸は上巨虚(胃経)、小腸は下巨虚(胃経)、三焦は委陽(膀胱経)、胆は陽陵泉(胆経)、膀胱は委中(膀胱経)です。特に、上巨虚、下巨虚、足三里は胃経に位置しているため、混乱しやすいポイントです。