実証

東洋医学

はじめに

実証とは、東洋医学において体内に邪気が盛んで、これに対する正気の抵抗力もまだ十分にある状態を指します。鍼灸治療においては、邪気を発散・排除するために瀉法を選択する病態の基本となります。

何を指すか

実証は、八綱弁証における虚実の鑑別の一つであり、体内に邪気が充満し盛んである病態を指します。病証名に気滞、血瘀、痰湿、食滞、火熱などの要素が含まれるものは実証の要素を持ちます。

基本の考え方

八綱弁証における虚実の鑑別において、患者の体質や病の虚実を見極めることは基本概念となります。鍼灸治療においては虚証には補法を、実証には邪気を発散・排除する瀉法を選択することが原則とされています。

はたらきと病証

実証の病態では、体内に盛んな邪気によってさまざまな症状が生じます。例えば肝火上炎では、頭痛、めまい、顔面紅潮、いらいらなどの症状を呈し、純粋な実証の病態を示します。

関連する臓腑・経絡

六部定位脈診において脈が実証を示している場合、それは特定の経絡の邪気の盛衰を反映しています。例えば心経が実証を示した場合には、『難経』六十九難の法則に基づき、子穴である神門を選択して瀉法を行います。

国家試験のポイント

国家試験では、病証名が純粋な実証であるか虚実挟雑証であるかを見極める問題や、心経などの実証に対して『難経』六十九難に基づき子穴を選んで瀉法を行う手技などが頻出します。また、瀉法における速い刺入・抜鍼や抜鍼後に鍼孔を開いておく手技なども問われます。

間違えやすいところ

「肝鬱脾虚」「水湿困脾」「痰湿犯肺」などのように虚と実の字が混ざる病名は、基本的に虚実挟雑証となるため、純粋な実証である肝火上炎や風熱犯肺、胃熱などと混同しないよう注意が必要です。

実証が問われる国家試験問題(4問)

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