病気の解説
月経前不快気分障害
別名:PMDD、月経前不機嫌性障害
緊急性の高い症状
- 自分を傷つけたい、死にたいという気持ちが強いとき
- ほかの人を傷つけてしまいそうなとき
このようなときは、ためらわずに救急(119番)に連絡するか、救急外来を受診してください(米国保健福祉省 女性の健康局)。
出典:米国保健福祉省 女性の健康局(womenshealth.gov)「Premenstrual dysphoric disorder (PMDD)」
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
- 月経前になると、強いイライラ・落ち込み・不安で、仕事や家事、人間関係に支障が出るとき
- そうした状態が毎月のようにくり返されるとき
- 月経前の気分の落ち込みのなかで、死にたい気持ちが浮かぶとき
相談先は婦人科または精神科・心療内科です。似た症状はうつ病や不安症などでも起こるため、症状だけで病名は判断できません。ほかの病気がないかを確かめたうえで診断されます(MedlinePlus)。受診の前から、症状と月経の日付を毎日記録しておくと診断の助けになります(米国保健福祉省 女性の健康局)。
基本
月経前不快気分障害とは
月経前不快気分障害(PMDD)は、月経前症候群(PMS)のなかでも、心の症状がとくに重いタイプです(MedlinePlus)(米国保健福祉省 女性の健康局)。月経前の1〜2週間ほどの間に強いイライラや落ち込み、不安が現れ、日常生活に大きく差し支えます。月経が始まって数日のうちに軽くなるのが特徴です(米国保健福祉省 女性の健康局)。PMSに比べてずっと少ないとされ(MedlinePlus)、妊娠可能な年代の女性の最大5%ほどにみられると推定されています(米国保健福祉省 女性の健康局)。
主な症状
気持ちの面(米国保健福祉省 女性の健康局)(MedlinePlus)
- 周りに当たってしまうほどの怒りっぽさ
- 気分の落ち込み、絶望感、涙もろさ、気分の激しい浮き沈み
- 緊張や不安、パニック発作
- ふだんの活動や人付き合いへの関心がなくなる
- 集中できない、自分をコントロールできない感覚
体や生活の面(米国保健福祉省 女性の健康局)(MedlinePlus)
- 疲れやすさ、気力の低下、眠りの変化
- 食欲の高まりや食べすぎ
- おなかの張り、乳房の痛み、頭痛、関節や筋肉の痛み
PMDDの人には、不安症やうつ病を合わせもつ人も多いとされます(米国保健福祉省 女性の健康局)。
原因・なりやすい要因
はっきりした原因はわかっていません。排卵のあとに起こる女性ホルモンの変化や、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが関わっていると考えられており、こうした変化に敏感な人がいるとされます(米国保健福祉省 女性の健康局)(MedlinePlus)。
検査と診断
診断
PMDDを決める単独の検査はなく、症状の経過から判断します(MedlinePlus)。問診と診察に加え、症状が月経の周期に合わせて現れ、月経が始まると軽くなるかを、日記やカレンダーで確認します(米国保健福祉省 女性の健康局)。
治療
治療
- 抗うつ薬:セロトニンに働く抗うつ薬(SSRI)が、心の症状に使われます(米国保健福祉省 女性の健康局)(MedlinePlus)。
- ホルモンの薬:排卵を抑えるピルの一部が使われることがあります。ただし、ピルは体の症状には効いても、心の症状をかえって悪くすることもあるとされます(MedlinePlus)(米国保健福祉省 女性の健康局)。
- 体の症状への対処:痛み止めが、腹痛や頭痛などに使われることがあります(米国保健福祉省 女性の健康局)。
どの治療が合うかは人によって異なるため、医師と相談しながら選びます。
日常生活の注意・セルフケア
医療機関の指示を優先したうえで、次のような工夫が症状をやわらげる助けになることがあります。
- リラックスできる方法や楽しめる活動を取り入れ、ストレスをためない(米国保健福祉省 女性の健康局)
- 体を定期的に動かし、十分な睡眠をとる(MedlinePlus)
- 偏りのない食事を心がけ、月経前は塩分・糖分・カフェイン・アルコールを控えめにする(MedlinePlus)(米国保健福祉省 女性の健康局)
サプリメントを使う場合は、事前に医師に相談してください(MedlinePlus)。
精神科で扱うほかの病気
出典
米国保健福祉省 女性の健康局「Premenstrual dysphoric disorder (PMDD)」 / MedlinePlus「Premenstrual Syndrome」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。