顎関節症で閉口筋の調整を目的に選穴する場合、最も適切な経穴はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
正解は4番
解説
頰車は下顎角の前上方、咬筋のほぼ中央に位置する経穴である。咬筋は強力な閉口筋であり、顎関節症に伴う筋緊張やスパズムが生じやすい部位である。したがって、閉口筋の緊張緩和や機能調整を目的に刺鍼を行う場合、咬筋上に直接アプローチできる頰車が最も適切な選択となる。
選択肢ごとの解説
- 1. 牽正穴は耳垂の下方、下顎角の前方にある奇穴であり、主に顔面神経麻痺による口唇の歪みや咀嚼筋の血流改善などに用いられるが、閉口筋である咬筋自体の調整を目的とする定番の経穴としては頰車穴が優先される。
- 2. 翳風穴は耳介後方、乳様突起と下顎枝の間(耳垂後方凹み)に位置する。顔面神経麻痺や耳鳴り、耳の疾患などに用いられるが、閉口筋である咬筋の緊張緩和を主目的とする場合には適さない。
- 3. 下関穴は頬骨弓中央の下縁、下顎頭の前方に位置する。主に顎関節や外側翼突筋などの障害に用いられるが、閉口筋である咬筋の直接的な調整を主目的とする場合には頰車穴がより適切である。
- 4. 正解。頰車は下顎角の前上方、咬筋のほぼ中央に位置する経穴である。咬筋は強力な閉口筋であり、顎関節症に伴う筋緊張やスパズムが生じやすい部位である。したがって、閉口筋の緊張緩和や機能調整を目的に刺鍼を行う場合、咬筋上に直接アプローチできる頰車が最も適切な選択となる。
国試ポイント
咀嚼筋(咬筋・側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋)の作用と、関連する頭面部の経穴(下関、頰車など)の位置関係をセットで覚える。
覚え方
きょうしゃ(頰車)はきょう(咬)筋
対になる知識
下顎の運動に関与する咀嚼筋とその作用、および関連する経穴の対比を覚える。下顎の前方移動に作用する外側翼突筋に対しては下関が適切な治療穴となる。これに対し、下顎の閉口運動に強く作用する咬筋・側頭筋・内側翼突筋に対しては、咬筋上に位置する頰車が適切な局所治療穴として選択される。
関連知識
下関は足陽明胃経の経穴であり、耳疾患や歯痛、顎関節症などの局所治療における要穴として広く知られている。頰車も同じく足陽明胃経に属し、下顎角の前上方、咬筋の隆起部にあって咀嚼筋群の緊張緩和や顎関節症の治療に極めて有効である。