血管平滑筋の弛緩作用により血管を拡張させる、血管内皮由来のガス状物質はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
正解は3番
解説
一酸化窒素は、血管内皮細胞においてL-アルギニンから一酸化窒素合成酵素の働きによって産生されるガス状の生理活性物質である。産生された一酸化窒素は細胞膜を容易に透過し、隣接する血管平滑筋に拡散して可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化させる。これにより細胞内のサイクリックGMPが急増し、プロテインキナーゼGを介して細胞内カルシウムイオン濃度を低下させるため、血管平滑筋の弛緩すなわち血管拡張がもたらされる。
選択肢ごとの解説
- 1. エンドセリンは血管内皮細胞から産生される生理活性物質であるが、ガス状物質ではなくペプチドである。また、平滑筋の受容体に作用して細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させることで、強力かつ持続的な血管収縮作用を示すため、本問の血管拡張作用とは逆の機序をもつ。
- 2. ノルアドレナリンは交感神経終末などから遊離され、血管平滑筋の受容体に作用して血管を収縮させる。
- 3. 正解。一酸化窒素は、血管内皮細胞においてL-アルギニンから一酸化窒素合成酵素の働きによって産生されるガス状の生理活性物質である。産生された一酸化窒素は細胞膜を容易に透過し、隣接する血管平滑筋に拡散して可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化させる。これにより細胞内のサイクリックGMPが急増し、プロテインキナーゼGを介して細胞内カルシウムイオン濃度を低下させるため、血管平滑筋の弛緩すなわち血管拡張がもたらされる。
- 4. セロトニンは血管平滑筋を収縮させる働きを持つことが多い神経伝達物質および生理活性物質である。
国試ポイント
血管内皮細胞由来の弛緩因子(EDRF)が一酸化窒素(NO)であり、平滑筋のcGMPを介して血管拡張を起こすメカニズムがよく出題される。
覚え方
「NOでリラックス(弛緩)」と覚える。
対になる知識
主要な血管拡張物質としては一酸化窒素(NO)やプロスタサイクリン(PGI2)が挙げられ、これらは血管平滑筋を弛緩させる。これに対し、血管収縮物質としてはエンドセリン、ノルアドレナリン、セロトニンなどが挙げられ、血圧や局所血流を調節する。
関連知識
アセチルコリンは血管内皮細胞上のM3受容体を介して一酸化窒素(NO)の産生を促し、血管平滑筋を弛緩させる。鍼刺激による局所血流増加機序としても、軸索反射や局所作動物質と並び、この内皮由来のNO産生の関与が深く知られている。