深刺すると気胸を生じるリスクが最も高い胸部の経穴はどれか。
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正解は4番
解説
中府は手の太陰肺経の経穴であり、前胸部、第1肋間隙の高さ、前正中線の外方6寸に位置する。直下には胸膜頂および肺尖部が存在するため、深く刺入すると胸膜を傷つけて気胸を引き起こすリスクが最も高い。他の選択肢である腎兪や志室は腰背部にあり、大包は側胸部にあるため気胸のリスクは中府ほど高くない。
選択肢ごとの解説
- 1. 腎兪は腰背部、第2腰椎棘下縁の外方1.5寸にあり、胸膜腔とは位置が異なるため気胸のリスクは低い。
- 2. 志室は腰背部の第2腰椎棘突起下縁の外方3寸に位置する経穴である。この領域には胸膜腔が存在しないため、深刺しても気胸を生じる危険性はない。ただし、腎臓の直上に位置するため、過度の深刺は腎挫傷のリスクがある。
- 3. 大包は側胸部、第6肋間隙の中腋線上にある。肺下縁に位置するが、中府と比較して気胸の危険性は低い。
- 4. 正解。中府は手の太陰肺経の経穴であり、前胸部、第1肋間隙の高さ、前正中線の外方6寸に位置する。直下には胸膜頂および肺尖部が存在するため、深く刺入すると胸膜を傷つけて気胸を引き起こすリスクが最も高い。他の選択肢である腎兪や志室は腰背部にあり、大包は側胸部にあるため気胸のリスクは中府ほど高くない。
国試ポイント
胸背部や前胸部への刺鍼における気胸リスクの管理は、はり理論の最重要事項の一つ。特に中府、肺兪、心兪などは深部の解剖学的構造をセットで覚える。
覚え方
肺・心・膈は肺に注意(胸背部の背部兪穴や胸部募穴)
対になる知識
刺鍼時に肺損傷のリスクが高い経穴としては、胸部や背部の上方に位置する中府、雲門、肺兪、心兪などが代表的である。これに対し、腎兪や志室などの腰背部にある経穴は横隔膜より下に位置するため、深刺による肺損傷のリスクはなく、むしろ腎臓や腹腔内臓器に対する配慮が必要となる。
関連知識
胸壁に対する過度の深刺や直刺によって胸膜腔が破綻し、肺が虚脱する病態を外傷性気胸と呼ぶ。気胸の主な症状には突然の激しい胸痛、呼吸困難、患側の呼吸音減弱や消失、乾性咳嗽などがある。発症した場合は緊張性気胸へ移行するリスクもあるため、速やかな医療機関への受診と胸部レントゲン撮影等が必要となる。