横隔膜の解剖学的構造について正しい記述はどれか。
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正解は3番
解説
横隔膜の食道裂孔には、食道とともに迷走神経が通過する。食道裂孔は第10胸椎レベルに位置し、迷走神経の前枝および後枝が食道に沿って腹腔へと下行する。
選択肢ごとの解説
- 1. 大静脈孔を通過するのは下大静脈である。迷走神経は下大静脈孔ではなく食道裂孔を通過して腹腔へ入るため、この記述は誤りである。
- 2. 大動脈裂孔を通過するのは大動脈、胸管および奇静脈である。下大静脈は横隔膜の中心腱にある大静脈孔を通過するため、この記述は誤りである。
- 3. 正解。横隔膜の食道裂孔には、食道とともに迷走神経が通過する。食道裂孔は第10胸椎レベルに位置し、迷走神経の前枝および後枝が食道に沿って腹腔へと下行する。
- 4. 胸管は横隔膜の大動脈裂孔を通過して腹腔から胸腔へと上行する。大静脈孔を通過するのは下大静脈であり、胸管の経路とは異なるため誤りである。
国試ポイント
横隔膜の3つの主要な裂孔(大動脈裂孔・食道裂孔・大静脈孔)の通過高位と通過構造物の組み合わせは国家試験の頻出問題である。
覚え方
大動脈裂孔(Th12: 大動脈・胸管・奇静脈=12文字), 食道裂孔(Th10: 食道・迷走神経=10文字), 大静脈孔(Th8: 下大静脈=8文字)
対になる知識
横隔膜は胸腔と腹腔を完全に隔てるドーム状の呼吸筋であり、収縮して下降することにより胸腔容積を拡大させ、吸気を引き起こす。その中心部は腱中心と呼ばれる強靭な腱膜となっている。
関連知識
横隔神経は頸神経叢(C3〜C5)の枝であり、横隔膜の運動を支配する唯一の神経である。そのため、頸髄の高度な損傷などにより横隔神経が障害されると横隔膜が麻痺し、自力での呼吸運動が不可能になる。