標準体型の男性において直刺で刺鍼した場合、肺を損傷するリスクが最も高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
脾の大絡の絡穴である大包は、第7肋間腋窩中央線上に位置し、胸膜腔に近く、深部に直刺すると肺を損傷するリスクが最も高い。他の選択肢の経穴は、肺の損傷リスクがより低い部位にある。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺の募穴である中府(ちゅうふ)は第1肋間と第2肋間の間、前正中線の外方6寸に位置する。この部位も深刺には注意が必要だが、通常、直刺であっても大包穴と比較して肺を損傷するリスクは低いと考えられている。しかし、深く刺しすぎると肺尖部に到達する可能性はあるため、慎重な操作が求められる。
- 2. 任脈の絡穴は鳩尾(きゅうび)であり、剣状突起の下方1寸にある。この部位の深部には心臓や肝臓の一部、胃があるが、肺が存在しないため、直刺で肺を損傷するリスクはない。
- 3. 胃の背部兪穴である胃兪(いゆ)は、第12胸椎棘突起下縁の外方1.5寸に位置する。この部位は横隔膜より下であり、肺が存在しないため、直刺で肺を損傷するリスクはない。ただし、腎臓損傷のリスクは考慮する必要がある。
- 4. 正解。脾の大絡の絡穴である大包(だいほう)は、第7肋間腋窩中央線上に位置する。この部位の深部には肺が存在し、特に標準体型の男性では胸膜腔が比較的浅いため、直刺すると肺を損傷するリスクが最も高い。気胸の危険性があるため、刺鍼は慎重に行う必要がある。
国試ポイント
国家試験では、鍼灸師が臨床で安全に施術するために、解剖学的知識に基づいた危険穴の認識が問われる。特に、胸腹部の経穴とその深部の臓器との位置関係を正確に理解しておく必要がある。
混同注意
各経穴がどの臓腑に属するか、その絡穴や募穴、兪穴がどこに位置するかを混同しやすい。特に同名や類似名の経穴が複数ある場合、正確な位置と深達度を覚えることが重要。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合は、まず選択肢の経穴がどこにあるかを特定し、その深部に肺やその他の臓器が存在するか、どの程度の深さで損傷リスクがあるかを解剖学的な知識に基づいて判断する。
覚え方
同様の問題が出た場合は、まず選択肢の経穴がどこにあるかを特定し、その深部に肺やその他の臓器が存在するか、どの程度の深さで損傷リスクがあるかを解剖学的な知識に基づいて判断する。
対になる知識
各経穴がどの臓腑に属するか、その絡穴や募穴、兪穴がどこに位置するかを混同しやすい。特に同名や類似名の経穴が複数ある場合、正確な位置と深達度を覚えることが重要。
関連知識
肺の損傷を避けるためには、肺尖部や胸郭内の臓器の直上にある経穴(例えば天突、缺盆、乳中、淵腋、大包など)への刺鍼は、刺入角度や深さに細心の注意を払う必要がある。これらの部位では斜刺や皮下刺を用いるなど、安全な刺鍼法を理解しておくべきである。