心電図検査でST低下の際に疑われるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
狭心症は、冠動脈の狭窄により心筋への血流が一時的に不足し、心筋虚血が生じる疾患です。心筋虚血は心電図上でST部分の低下として現れることが多く、これは心筋の再分極異常を反映しています。特に労作性狭心症では、運動負荷時にST低下が出現し、安静時に回復するという特徴が見られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。狭心症では、心筋虚血により心臓の再分極異常が生じ、心電図のST部分が低下することが特徴的な所見です。特に労作時狭心症で顕著に見られます。
- 2. 心房細動は、心房内で無秩序な電気興奮が頻発し、不規則な心拍となる不整脈です。心電図上ではP波の消失、f波の出現、R-R間隔の完全な不整が特徴であり、ST低下は直接的な所見ではありません。 正しくは:心房細動の心電図所見は、P波の消失、f波(細動波)の出現、R-R間隔の絶対的不整です。
- 3. 心室粗動は、心室からの非常に速い規則的な電気興奮によって心室が収縮する重篤な不整脈です。心電図上では、QRS波とT波が区別できない波打つような粗動波(F波)が連続する所見を呈し、ST低下とは異なります。 正しくは:心室粗動の心電図所見は、QRS波とT波が区別できない粗大な波形(F波)が連続し、規則的な心室活動を示します。
- 4. 洞不全症候群は、洞結節の機能不全により徐脈、洞停止、洞房ブロックなどが生じる病態です。心電図上では、洞性徐脈、長いRR間隔、P波の脱落などが特徴であり、ST低下は直接的な所見ではありません。 正しくは:洞不全症候群の心電図所見は、洞性徐脈、洞停止、洞房ブロック、徐脈頻脈症候群など、洞結節の機能異常による徐脈性不整脈です。
国試ポイント
心電図のST部分の異常(ST上昇、ST低下)と、それが示す疾患(虚血性心疾患、特に狭心症や心筋梗塞)との関連性を理解することが重要です。
混同注意
ST低下とST上昇はどちらも心筋虚血を示唆することがありますが、ST上昇は主に心筋梗塞における貫壁性虚血を、ST低下は心内膜下虚血や狭心症を示唆することが多いです。両者を混同しないよう注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
心電図問題でST部分の異常(特に低下)が見られた場合、心筋虚血性疾患(狭心症、心筋梗塞)を第一に疑い、その他の選択肢が不整脈に関連するものであれば、波形の特徴から鑑別できるかを判断します。
覚え方
心電図問題でST部分の異常(特に低下)が見られた場合、心筋虚血性疾患(狭心症、心筋梗塞)を第一に疑い、その他の選択肢が不整脈に関連するものであれば、波形の特徴から鑑別できるかを判断します。
対になる知識
ST低下とST上昇はどちらも心筋虚血を示唆することがありますが、ST上昇は主に心筋梗塞における貫壁性虚血を、ST低下は心内膜下虚血や狭心症を示唆することが多いです。両者を混同しないよう注意が必要です。
関連知識
虚血性心疾患の病態、心電図の各波形(P波、QRS波、T波)と間隔(PR間隔、QT間隔)、ST部分がそれぞれ何を表しているか。心電図の国際的基準(J波、U波など)。