次の文で示す患者に対し、八会穴を用いて治療を行う場合、膈兪とともに選穴するのはどれか。「47歳の女性。2か月前からめまいがあり、頭部MRI検査では異常はなかった。疲れやすく、風邪を引きやすい。爪の色が薄く、経血量の減少がある。舌は淡、脈は弱を認める。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
患者はめまい、疲労、風邪を引きやすい、爪の色が薄い、経血量の減少、舌淡、脈弱を呈しており、これらは中医学における血虚(特に肝血虚)の症状と合致します。八会穴の一つである膈兪は血の会穴であり、血の病変の治療に用いられます。血虚に対して膈兪と組み合わせる八会穴は、気海が気の会穴であり、気血同源の原則から気虚を伴う血虚、あるいは気虚による血の推動不足を補うことで相乗効果が期待できるため、適切な選穴となります。また、任脈の要穴である䊡中(膻中)は気の病の治療に用いられ、膈兪(血の会)と組み合わせることで気血の調整を強化する意味合いもあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 大杼は骨の会穴であり、骨疾患や発熱、肺疾患などに用いられますが、本患者の血虚を主とする病態には直接的な関係が薄い。 正しくは:骨の病変や、骨蒸潮熱などの陰虚内熱の症状、風邪による悪寒発熱などがある場合に選択する。
- 2. 正解。䊡中(膻中)は気の会穴であり、気の病変、特に胸部の病変(呼吸器系、循環器系、精神神経系)に用いられます。本症例では血虚を伴いますが、気血同源の考え方や、血の生成・運行には気の推動作用が不可欠であるため、膈兪(血の会)と䊡中(気の会)を組み合わせることで気血の全体的な調整を図ることができます。また、膻中は任脈の要穴であり、気の調整に重要な役割を果たします。特に、血虚症状があるが、疲労感や風邪を引きやすいといった気虚症状もみられるため、気血両虚へのアプローチとして適切です。
- 3. 陽陵泉は筋の会穴であり、筋の病変(筋攣縮、麻痺、痛みなど)や胆腑の病変に用いられますが、本患者の血虚を主とする病態には直接的な関係が薄い。 正しくは:筋の病変、脇肋部の疼痛、胆嚢炎などがある場合に選択する。
- 4. 懸鍾は髄の会穴であり、髄の病変(脳疾患、脊髄疾患、骨疾患など)や胆経の病変に用いられますが、本患者の血虚を主とする病態には直接的な関係が薄い。 正しくは:脳疾患、脊髄疾患、半身不随など髄の病変がある場合に選択する。
国試ポイント
八会穴の適応、特に膈兪(血会)と組み合わせる他の八会穴、およびその中医学的根拠を理解しているかが問われる。
混同注意
八会穴はそれぞれ特定の臓腑や組織、病態に対応するため、安易に他の穴と混同しないよう注意が必要です。例えば、骨の会である大杼と血の会である膈兪の区別。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず患者の主訴と随伴症状から中医学的病態を正確に判断し、次にその病態に合致する八会穴の組合せを検討する。
覚え方
同様の問題が出た場合、まず患者の主訴と随伴症状から中医学的病態を正確に判断し、次にその病態に合致する八会穴の組合せを検討する。
対になる知識
八会穴はそれぞれ特定の臓腑や組織、病態に対応するため、安易に他の穴と混同しないよう注意が必要です。例えば、骨の会である大杼と血の会である膈兪の区別。
関連知識
八会穴:腑会(中脘)、臓会(章門)、気会(䊡中)、血会(膈兪)、筋会(陽陵泉)、脈会(太淵)、骨会(大杼)、髄会(懸鍾)。それぞれの八会穴の場所と主治を正確に覚えることが重要。また、気血の関係性や、肝血虚の症状を理解することも関連知識となる。