次の文で示す病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。「22歳の女性。主訴は月経痛。経血量は少なく、血塊が混じることがある。小腹部の冷痛と拒按がみられ、足が冷える。舌根に白厚苔、脈は沈遅を認める。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
問題文にある「小腹部の冷痛と拒按、足が冷える、舌根に白厚苔、脈は沈遅」は、いずれも寒邪が体内に侵入し、経絡や臓腑の機能を阻害している状態を示す。特に冷痛、拒按、沈遅脈は寒凝血瘀の典型的な所見であり、寒邪を除くことで、経絡の疎通を回復させ、血行を改善し、月経痛を軽減する。
選択肢ごとの解説
- 1. 「肝鬱を抑える」は肝気鬱結による月経痛に対する治療方針であり、本症例の「小腹部の冷痛と拒按、足が冷える、舌根に白厚苔、脈は沈遅」といった寒証の所見とは合致しないため誤り。 正しくは:冷えの所見がなく、胸脇苦満やイライラなどの情志不暢を伴う場合に肝鬱を抑える治療を行う。
- 2. 正解。問題文の「小腹部の冷痛と拒按、足が冷える、舌根に白厚苔、脈は沈遅」は寒凝血瘀の典型的な所見であり、寒邪が子宮や経絡を凝滞させ、気血の流れを阻害している状態を示しているため、「寒邪を除く」治療方針が最も適切である。
- 3. 「脾の統血を促す」は、脾気虚による統血作用の失調による出血性疾患(月経過多など)に対して用いられる治療方針である。本症例は経血量が少なく、血塊が混じる月経痛であり、出血過多ではないため誤り。 正しくは:出血過多や慢性の出血傾向があり、倦怠感や疲労感が強い場合に脾の統血を促す治療を行う。
- 4. 「肝腎の精血を補う」は、肝腎不足による虚証、例えば精血不足による閉経や月経量減少、腰膝酸軟、めまい、耳鳴りなどに対して用いられる治療方針である。本症例は実証の冷痛・拒按が主であり、虚証の所見に乏しいため誤り。 正しくは:月経量極少、閉経、腰膝酸軟、頭暈耳鳴など、虚証の所見が明確な場合に肝腎を補う治療を行う。
国試ポイント
月経痛の弁証論治において、寒凝血瘀の病機とそれに対応する治療原則(温経散寒、活血化瘀)を理解しているか。
混同注意
肝鬱気滞による月経痛との鑑別。肝鬱は胸脇苦満、情志不暢を伴い、脈は弦。寒凝血瘀は冷痛、寒証を示す。
次に同じ論点が出たら
同様の症例が出た場合、冷痛、拒按、寒証(足の冷え、白厚苔、沈遅脈)の有無を最優先で確認し、これらが揃っていれば寒邪による病態と判断する。
覚え方
同様の症例が出た場合、冷痛、拒按、寒証(足の冷え、白厚苔、沈遅脈)の有無を最優先で確認し、これらが揃っていれば寒邪による病態と判断する。
対になる知識
肝鬱気滞による月経痛との鑑別。肝鬱は胸脇苦満、情志不暢を伴い、脈は弦。寒凝血瘀は冷痛、寒証を示す。
関連知識
寒凝血瘀の治療には、温める薬物(例えば桂枝、呉茱萸、乾姜など)と活血作用のある薬物(例えば当帰、芍薬、川芎など)を組み合わせた方剤(例:温経湯、当帰芍薬散など)を用いることが多い。