次の文で示す患者の病証に対して十二刺の刺法に基づき治療する場合、刺鍼部位の指標となるのはどれか。「足先の強い冷えを感じ、ときには腰まで冷えが上ってくる。下痢をしやすい。」
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
問題文の「足先の強い冷え」「腰まで冷えが上ってくる」「下痢をしやすい」という病証は、足の厥陰肝経や足の太陰脾経の経絡病証、あるいは腎陽虚の病態を示唆している。これらは下肢内側を通る経絡に関係が深く、特に後脛骨動脈拍動部は、太渓(腎経)、復溜(腎経)、三陰交(脾経、肝経、腎経の交会穴)などの重要なツボの指標となる。これらのツボへの刺鍼は、冷えや下痢といった下焦の虚寒症状の改善に寄与すると考えられる。
選択肢ごとの解説
- 1. 大腿動脈拍動部は鼠径部に位置し、主に衝門(脾経)、気衝(胃経)などの指標となるが、問題文の「足先の強い冷え」「下痢」といった下焦・下肢の症状に直接的に対応する十二刺の部位としては適切ではない。 正しくは:この病証に対しては、下腿の内側にある後脛骨動脈拍動部を指標とすることがより適切である。
- 2. 膝窩動脈拍動部は膝裏に位置し、委中(膀胱経)などの指標となるが、問題文の「足先の強い冷え」や「下痢」といった下焦の症状に対する十二刺の指標としては直接的ではない。 正しくは:この病証に対しては、下腿の内側にある後脛骨動脈拍動部を指標とすることがより適切である。
- 3. 正解。後脛骨動脈拍動部は内踝後方、アキレス腱と内踝の間にある太渓(腎経)や、その上方にある復溜(腎経)、三陰交(脾経、肝経、腎経の交会穴)などの指標となる。これらのツボは、腎陽虚による足の冷え、腰の冷え、下痢といった症状(問題文の病証)の治療に有効であるため、正しい選択肢である。
- 4. 足背動脈拍動部は足の甲に位置し、衝陽(胃経)などの指標となる。衝陽は胃経の原穴であり、顔面部の疾患や足関節痛などに用いられることが多いが、問題文の「足先の強い冷え」や「下痢」といった虚寒の病証に対する十二刺の指標としては適切ではない。 正しくは:この病証に対しては、下腿の内側にある後脛骨動脈拍動部を指標とすることがより適切である。
国試ポイント
十二刺における特定の動脈拍動部が、どの経絡や重要穴と関連し、どのような病態に適用されるかを理解することが重要。特に下肢内側の経絡と関連する動脈拍動部を覚える。
混同注意
各動脈拍動部が下肢のどの位置にあるか、またそれぞれどの経絡と関連するかを混同しやすい。特に足関節周囲の動脈拍動部は注意が必要。
次に同じ論点が出たら
下肢の冷えや消化器症状など、具体的な症状が提示された場合、それがどの経絡の病証に該当するかを判断し、その経絡上にある動脈拍動部を指標とするツボを選択する。特に下肢内側の症状は後脛骨動脈拍動部に注目する。
覚え方
下肢の冷えや消化器症状など、具体的な症状が提示された場合、それがどの経絡の病証に該当するかを判断し、その経絡上にある動脈拍動部を指標とするツボを選択する。特に下肢内側の症状は後脛骨動脈拍動部に注目する。
対になる知識
各動脈拍動部が下肢のどの位置にあるか、またそれぞれどの経絡と関連するかを混同しやすい。特に足関節周囲の動脈拍動部は注意が必要。
関連知識
足関節周囲の主要なツボである太渓、復溜、三陰交、解渓、衝陽などの位置と、それらが所属する経絡、およびそれぞれの治療効果を合わせて覚える。十二刺の基本概念やその他の刺法についても復習する。