「45歳の女性。主訴は倦怠感。1か月前より強くなった。寒がりで、動作が緩慢である。食欲低下、便秘、月経過多、徐脈を認める。」 最もみられる身体所見はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
バセドウ病は甲状腺機能亢進症を来し、甲状腺全体の腫大(びまん性甲状腺腫)が特徴的な身体所見です。特に頸部の前下部に位置する甲状腺が腫大するため、頸部腫脹として認識されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 体重減少はバセドウ病でよく見られる症状であり、基礎代謝亢進によるものであるが、身体所見というよりは症状・徴候として扱われることが多い。頸部腫脹の方がより直接的な身体所見として適切である。 正しくは:バセドウ病では食欲亢進にもかかわらず体重が減少することが一般的です。
- 2. 正解。バセドウ病による甲状腺機能亢進症では、甲状腺が全体的に腫大(びまん性甲状腺腫)するため、頸部の前下部が腫れ、頸部腫脹として最もよくみられる身体所見である。
- 3. バセドウ病で浮腫が見られる場合、前脛骨部浮腫(プレティビアルミクセデーマ)のような非圧痕性浮腫(粘液水腫)が特徴的である。圧痕が残る浮腫( pitting edema)は、心不全や腎不全、肝硬変などによる体液貯留を示唆することが多い。 正しくは:バセドウ病では前脛骨部粘液水腫(非圧痕性浮腫)が見られることがある。
- 4. バセドウ病による甲状腺機能亢進症では、交感神経系の興奮や代謝亢進により、深部反射が亢進することがあるが、これは普遍的な身体所見というよりは、神経学的所見の一部であり、最もみられる所見としては頸部腫脹がより適切である。 正しくは:深部反射亢進はバセドウ病の神経症状の一つとして見られることがある。
国試ポイント
バセドウ病の主要な身体所見と症状を理解する。
混同注意
バセドウ病の甲状腺腫はびまん性であり、甲状腺癌の結節性腫瘤とは性状が異なる。橋本病でも甲状腺腫脹はみられるが、機能は低下または正常であることが多い。
次に同じ論点が出たら
甲状腺機能亢進症を疑う症状(頻脈、体重減少、発汗過多など)があれば、頸部触診による甲状腺の腫大の有無と性状を確認する。
覚え方
甲状腺機能亢進症を疑う症状(頻脈、体重減少、発汗過多など)があれば、頸部触診による甲状腺の腫大の有無と性状を確認する。
対になる知識
バセドウ病の甲状腺腫はびまん性であり、甲状腺癌の結節性腫瘤とは性状が異なる。橋本病でも甲状腺腫脹はみられるが、機能は低下または正常であることが多い。
関連知識
バセドウ病の三大主徴は、甲状腺腫、眼球突出、頻脈(または動悸)である。その他、発汗過多、手指振戦、食欲亢進にも関わらず体重減少などがみられる。