左冠動脈閉塞による急性心筋伷塞で死亡した。肺にみられる変化として適切でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
左冠動脈閉塞による急性心筋梗塞では、心臓のポンプ機能が低下し、肺静脈系から肺毛細血管への血液還流が滞ることで、肺にうっ血や水腫、出血などの二次的な変化が生じます。一方、肺塞栓は肺動脈系の閉塞であり、心筋梗塞の直接的な肺の変化としては適切ではありません。肺塞栓は、下肢静脈血栓などが原因で生じるものであり、心不全の直接的な結果として肺に認められるものではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性心筋梗塞による心不全では、肺毛細血管圧が上昇し、赤血球が血管外に漏出しやすくなるため、肺に出血が生じることがあります。これは心不全の直接的な続発症です。
- 2. 正解。肺塞栓は、主に深部静脈血栓症などから血栓が肺動脈に飛来し、肺動脈を閉塞する病態であり、左冠動脈閉塞による急性心筋梗塞の直接的な肺の変化ではありません。心筋梗塞後に不整脈や心不全を合併し、心臓内血栓から体循環塞栓が生じる可能性はありますが、これは肺動脈系の変化ではなく、肺に『塞栓』として現れる変化は異なります。 正しくは:この場合は塞栓ではなく、肺うっ血、肺水腫、肺出血などが正しい変化として挙げられる。
- 3. 急性心筋梗塞による左心不全では、肺静脈圧が上昇し、肺毛細血管から間質、そして肺胞内へと水分が漏出することで肺水腫が発生します。
- 4. 急性心筋梗塞による左心不全では、左心室のポンプ機能が低下し、肺静脈から左心房への血液還流が障害されるため、肺に血液が貯留し、肺うっ血が生じます。
国試ポイント
急性心筋梗塞による心不全が肺に及ぼす影響(うっ血、水腫、出血)と、肺塞栓症との鑑別を理解する。
混同注意
心原性肺水腫と肺塞栓症は、どちらも呼吸困難を呈することがありますが、病態生理が全く異なります。心原性肺水腫は左心不全による肺静脈圧上昇が原因であるのに対し、肺塞栓症は肺動脈の閉塞が原因です。
次に同じ論点が出たら
心臓病が原因で肺に生じる変化か、それとも肺の一次的な疾患によるものかを見極める。
覚え方
心臓病が原因で肺に生じる変化か、それとも肺の一次的な疾患によるものかを見極める。
対になる知識
心原性肺水腫と肺塞栓症は、どちらも呼吸困難を呈することがありますが、病態生理が全く異なります。心原性肺水腫は左心不全による肺静脈圧上昇が原因であるのに対し、肺塞栓症は肺動脈の閉塞が原因です。
関連知識
左心不全の兆候として、起坐呼吸、夜間発作性呼吸困難、頸静脈怒張(右心不全も伴う場合)、第三心音などが挙げられます。また、胸部X線では心拡大、肺うっ血像、Kerley B線などが見られます。