脳卒中片麻痺患者の生活期に最も多く使用されている装具はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
脳卒中片麻痺患者の生活期では、弛緩性麻痺や痙性麻痺により足関節の背屈筋力低下や尖足変形を呈し、歩行時のクリアランスが確保できず、転倒のリスクが高まります。短下肢装具は足関節を適切な位置に保持し、背屈補助を行うことで、これらの問題を解決し、安定した歩行を可能にするため最も多く使用されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 長下肢装具は、膝関節の支持性や安定性が著しく低下している場合や、大腿四頭筋の麻痺が強い場合に用いられます。生活期の脳卒中片麻痺患者においては、多くのケースで膝関節のコントロールはある程度可能であり、過剰な支持は活動性を阻害するため、一般的ではありません。 正しくは:長下肢装具は、脳卒中片麻痺の回復期初期で膝関節の重度な不安定性がある場合や、脊髄損傷などで広範囲の麻痺がある場合に用いられます。
- 2. 正解。脳卒中片麻痺患者の生活期においては、足関節の背屈筋力低下や尖足、内反尖足変形が生じやすく、歩行時に足尖が床に引っかかりやすくなります(クリアランス不良)。短下肢装具は、これらの問題を改善し、足関節を安定させることで、より安全で効率的な歩行を可能にするため、最も広く使用されます。
- 3. 膝関節装具は、膝関節の不安定性(靭帯損傷、変形性膝関節症など)がある場合に用いられます。脳卒中片麻痺の生活期において、膝関節単独の重度な不安定性があり、かつそれが主要な歩行障害の原因となるケースは短下肢装具の使用例と比較すると少ないです。通常、膝の不安定性は股関節や足関節の機能と関連して評価されます。 正しくは:膝関節装具は、膝関節の靭帯損傷や変形性膝関節症、あるいは膝折れが著しい場合に限って用いられます。
- 4. 体幹装具は、脊柱の不安定性(脊柱側弯症、椎間板ヘルニア、脊椎圧迫骨折など)や、体幹筋力の重度な低下による姿勢保持困難がある場合に用いられます。脳卒中片麻痺患者においても体幹の不安定性は生じますが、生活期において体幹装具が最も多く使用されることはありません。通常、体幹の安定化は座位バランス訓練や起立訓練で行われます。 正しくは:体幹装具は、脊柱の重度な不安定性や重度の体幹機能不全に対して、姿勢保持や疼痛緩和を目的として用いられます。
国試ポイント
脳卒中片麻痺患者の病期に応じた装具の選択とその目的を理解することが重要です。特に生活期においては、ADLの自立と安全性の確保を目的とした短下肢装具の役割を把握します。
混同注意
脳卒中の急性期や回復期に使用される装具と、生活期に使用される装具の目的と種類を混同しやすいです。急性期・回復期では関節拘縮予防や早期離床を目的とした装具が用いられることがありますが、生活期では実用的な歩行能力の維持・向上が主眼となります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合は、まず「生活期」というキーワードに注目し、その期の治療目標(歩行能力維持、転倒予防など)に合致する装具が何かを判断します。特に足関節の機能不全に対する介入が生活期では重要となるため、足関節を制御する装具であるかを判断基準とします。
覚え方
次に同様の論点が出た場合は、まず「生活期」というキーワードに注目し、その期の治療目標(歩行能力維持、転倒予防など)に合致する装具が何かを判断します。特に足関節の機能不全に対する介入が生活期では重要となるため、足関節を制御する装具であるかを判断基準とします。
対になる知識
脳卒中の急性期や回復期に使用される装具と、生活期に使用される装具の目的と種類を混同しやすいです。急性期・回復期では関節拘縮予防や早期離床を目的とした装具が用いられることがありますが、生活期では実用的な歩行能力の維持・向上が主眼となります。
関連知識
脳卒中片麻痺患者の装具には、プラスチック製短下肢装具(AFO)が最も一般的であり、その種類には、プラスチックゲイトソケット、床反力利用型短下肢装具、金属支柱付き短下肢装具などがあります。それぞれの装具の特性と適応を理解することも重要です。また、歩行能力の評価指標(FIM、BIなど)と装具使用の関連性も押さえておきましょう。