「70歳の男性。車を停車中に左上肢を伸ばし後部座席の物を取ったところ、肩峰部に激痛を感じた。肩関節部を他動的に外転させても、自力で外転位を保持できない。」 診断確定のための検査で最も適切なのはどれか。
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
症例は脊髄に病変がある運動ニューロン疾患を示唆しており、脊髄病変の評価にはMRI検査が最も適している。MRIは軟部組織のコントラスト分解能が高く、脊髄実質内の病変(腫瘍、炎症、変性など)や脊髄圧迫の有無を詳細に描出できるため、診断確定に不可欠である。
選択肢ごとの解説
- 1. エックス線検査(単純X線)は脊椎の骨形態や配列の評価には有用だが、脊髄実質や神経組織そのものを直接描出することはできないため、脊髄病変の診断確定には不適切である。 正しくは:脊椎の形態異常や骨折の有無を確認する場合に選択される。
- 2. CT検査はX線を用いた画像検査であり、骨病変の描出や急性期の出血の診断には優れている。しかし、脊髄実質内の詳細な病変(脱髄、炎症、変性など)の描出能はMRIに劣るため、診断確定には不適切である。 正しくは:骨の評価や急性期の出血、肺や腹部臓器の評価に選択される。
- 3. 正解。MRI検査は、脊髄実質内の病変(腫瘍、炎症、脱髄、変性など)や脊髄周囲の病変(脊髄圧迫、椎間板ヘルニアなど)を高いコントラスト分解能で詳細に描出できる。本症例のように運動ニューロン疾患が疑われる場合、脊髄病変の有無や程度を評価するために最も適切な検査である。
- 4. 筋電図検査は神経や筋肉の電気的活動を評価する機能検査であり、神経原性変化や筋原性変化の有無、病変部位(前角細胞、神経根、末梢神経、筋など)の特定に有用である。しかし、これは機能的な評価であり、脊髄病変の「診断確定」のための画像検査ではない。 正しくは:神経や筋肉の機能評価、病変の部位診断(神経原性か筋原性か)に用いられる。
国試ポイント
中枢神経系の疾患、特に脊髄病変の診断にはMRI検査が第一選択であることを理解する。
混同注意
CT検査は骨病変や急性期の出血の評価に優れるが、脊髄実質の詳細な評価にはMRIが勝る。エックス線検査は脊椎の形態評価には有用だが、脊髄そのものの評価はできない。
次に同じ論点が出たら
脊髄病変や軟部組織の評価が必要な場合はMRI、骨病変や急性期出血の場合はCT、骨の全体像や配列を確認する場合は単純X線検査が適切と判断する。
覚え方
脊髄病変や軟部組織の評価が必要な場合はMRI、骨病変や急性期出血の場合はCT、骨の全体像や配列を確認する場合は単純X線検査が適切と判断する。
対になる知識
CT検査は骨病変や急性期の出血の評価に優れるが、脊髄実質の詳細な評価にはMRIが勝る。エックス線検査は脊椎の形態評価には有用だが、脊髄そのものの評価はできない。
関連知識
運動ニューロン疾患の鑑別には、筋電図検査も重要であるが、これは機能評価であり、診断確定のための画像検査ではない。神経伝導検査と合わせて神経原性変化の有無を評価する。