「55歳の女性。2か月前から背部の鈍痛が続いていたが放置していた。発熱はないが、食欲不振、体重減少、倦怠感がある。」 行うべき検査で最も適切なのはどれか。
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
症例は発熱、右季肋部痛、黄疸、肝酵素上昇を呈しており、胆道系酵素(AST, ALTよりもALP, γ-GTP)の著明な上昇と総ビリルビン高値は閉塞性黄疸を示唆している。これらの症状と検査所見から急性胆管炎が強く疑われ、胆管の拡張や結石の有無、肝実質の評価に腹部超音波検査が最も有用かつ侵襲性が低いため、初期検査として適切である。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。発熱、右季肋部痛、黄疸、胆道系酵素の著明な上昇から急性胆管炎が強く疑われる。腹部超音波検査は胆管拡張、胆石の有無、肝実質病変の評価に非侵襲的かつ有用な第一選択検査である。
- 2. 尿沈渣は尿路系の異常(尿路感染症、腎疾患、尿路結石など)を評価する検査である。症例は発熱と右季肋部痛、黄疸、肝酵素上昇を主訴としており、直接的な尿路系の症状や所見は示されていないため、優先順位は低い。 正しくは:発熱と右季肋部痛から腎盂腎炎なども鑑別には挙がるが、黄疸や肝酵素上昇は説明できないため、尿沈渣単独での検査は優先されない。
- 3. 血液像(白血球分画)は感染症の重症度や炎症の評価には有用だが、発熱の原因となる具体的な部位や臓器病変を特定する検査ではない。急性胆管炎の場合、白血球増多を認めることは多いが、これだけで診断に至ることはできない。 正しくは:血液像は急性炎症の評価に用いられるが、疾患の特定には他の画像検査や特異的な検査が必要である。
- 4. 腹部エックス線検査は消化管の閉塞や穿孔、遊離ガス、結石(特にカルシウムを含むもの)の評価には有用だが、胆管の病変や肝実質の評価には限界がある。胆石はX線で写らないものも多く、胆管拡張もX線では直接評価できないため、急性胆管炎の診断には不向きである。 正しくは:腹部エックス線検査は、消化管穿孔による遊離ガスや、石灰化を伴う結石の有無、イレウスなどの評価に有用である。
国試ポイント
胆道系疾患(特に急性胆管炎や急性胆嚢炎)の診断における腹部超音波検査の第一選択としての重要性と、その典型的な所見を覚える。発熱、腹痛、黄疸のCharcot三徴を伴う胆管炎では、まず超音波検査で胆管の拡張や胆石の有無を確認することが重要である。
混同注意
腹部超音波検査は胆道系の病変だけでなく、肝臓、腎臓、膵臓などの実質臓器や腹腔内の病変全般を評価できる簡便で非侵襲的な検査である。CTやMRIと比較して侵襲性が低く、ベッドサイドでの実施も可能であるため、初期スクリーニングや緊急時の鑑別診断に広く用いられる。CTはより詳細な解剖学的情報や炎症の広がりを評価できるが、被曝がある。MRI/MRCPは胆道系をより詳細に評価できるが、時間とコストがかかる。
次に同じ論点が出たら
同様の症例では、発熱、右季肋部痛、黄疸(特に眼瞼結膜黄染や皮膚黄染)、そして肝胆道系酵素(ALP, γ-GTP)の上昇に注目し、胆道系疾患を第一に疑う。超音波検査で胆管拡張や結石を確認できれば確定診断に近づく。
覚え方
同様の症例では、発熱、右季肋部痛、黄疸(特に眼瞼結膜黄染や皮膚黄染)、そして肝胆道系酵素(ALP, γ-GTP)の上昇に注目し、胆道系疾患を第一に疑う。超音波検査で胆管拡張や結石を確認できれば確定診断に近づく。
対になる知識
腹部超音波検査は胆道系の病変だけでなく、肝臓、腎臓、膵臓などの実質臓器や腹腔内の病変全般を評価できる簡便で非侵襲的な検査である。CTやMRIと比較して侵襲性が低く、ベッドサイドでの実施も可能であるため、初期スクリーニングや緊急時の鑑別診断に広く用いられる。CTはより詳細な解剖学的情報や炎症の広がりを評価できるが、被曝がある。MRI/MRCPは胆道系をより詳細に評価できるが、時間とコストがかかる。
関連知識
急性胆管炎の診断基準(東京ガイドライン2018)、Charcot三徴(発熱、右季肋部痛、黄疸)、Reynold五徴(Charcot三徴に加えて意識障害、ショック)。胆道系酵素としてALP、γ-GTPが重要であり、肝実質酵素としてAST、ALTが重要である。総ビリルビンと直接ビリルビンの上昇は閉塞性黄疸を示唆する。