次の文で示す症例で、鍼灸治療の効果を評価するのに最も適切なのはどれか。「65歳の女性。1年前から生活に充実感がなく、気持ちが沈む。倦怠感、食欲不振を伴う。幻覚や記憶障害はない。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
症例は65歳女性で、1年前からの気分の落ち込み、倦怠感、食欲不振を訴えており、幻覚や記憶障害がないことから、うつ病の可能性が高い。ハミルトン評価尺度は、うつ病の重症度を評価するために広く用いられる尺度であり、鍼灸治療によるうつ症状の改善効果を客観的に評価する上で最も適切である。
選択肢ごとの解説
- 1. 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は、認知症のスクリーニングや重症度評価に用いられるものであり、本症例のように幻覚や記憶障害がないうつ病の評価には適切ではない。 正しくは:HDS-Rではなく、うつ病の重症度を評価する尺度(例:ハミルトン評価尺度)を用いるべきである。
- 2. タイムドアップアンドゴーテスト(TUG)は、運動機能、特に歩行能力やバランス能力を評価するものであり、転倒リスクの評価などに用いられる。うつ病の治療効果を評価する尺度としては不適切である。 正しくは:TUGではなく、うつ病の症状を評価する尺度(例:ハミルトン評価尺度)を用いるべきである。
- 3. バーセル・インデックスは、日常生活動作(ADL)の評価尺度であり、着替え、食事、排泄などの基本的な日常生活活動の自立度を評価する。うつ病の直接的な治療効果を評価する尺度としては適切ではない。 正しくは:バーセル・インデックスではなく、うつ病の重症度を評価する尺度(例:ハミルトン評価尺度)を用いるべきである。
- 4. 正解。ハミルトン評価尺度は、うつ病の重症度を評価するために開発された標準的な評価尺度である。抑うつ気分、不安、不眠、食欲不振、倦怠感など、うつ病の主要な症状を客観的に評価できるため、鍼灸治療によるうつ症状の改善効果を評価するのに最も適切である。
国試ポイント
うつ病の評価尺度と、各評価尺度の適用疾患・対象を理解しているかが問われる。鍼灸治療効果の評価には、疾患特異的な評価尺度を選択する必要がある。
混同注意
本問の症例は「気持ちが沈む」「倦怠感、食欲不振」とあるが、幻覚や記憶障害がないため認知症ではない。それぞれの評価尺度が対象とする疾患や状態を正確に把握することが重要である。
次に同じ論点が出たら
同様の症例が出題された場合、症状から最も疑われる疾患を特定し、その疾患の重症度や治療効果を評価するために標準的に用いられる評価尺度を選択する。
覚え方
同様の症例が出題された場合、症状から最も疑われる疾患を特定し、その疾患の重症度や治療効果を評価するために標準的に用いられる評価尺度を選択する。
対になる知識
本問の症例は「気持ちが沈む」「倦怠感、食欲不振」とあるが、幻覚や記憶障害がないため認知症ではない。それぞれの評価尺度が対象とする疾患や状態を正確に把握することが重要である。
関連知識
うつ病の症状として、抑うつ気分、興味・喜びの喪失、食欲不振または過食、不眠または過眠、精神運動性の焦燥または制止、疲労感または気力の減退、無価値感または罪悪感、思考力・集中力の減退、死への反復思考が挙げられる。鍼灸治療はうつ病の補助療法としても期待されている。