次の症例の病証で最も適切なのはどれか。「48歳の女性。最近、帯下の量が増えた。帯下は白色で無臭、粘稠でだらだらと続くことが多い。顔はやつれて血色は悪い。舌苔は白膩、脈は緩を認める。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
症例は白色無臭で粘稠な帯下、顔色不良(血色悪い)、舌苔白膩、脈緩といった所見を示しており、これらは脾の運化機能失調による湿の停滞、すなわち脾虚湿盛の典型的な症状と合致します。脾気虚により水湿が運化できず、下方に停滞して帯下が増加し、脾の昇清機能失調により顔色がやつれて血色が悪くなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝血虚は血虚の病証であり、帯下の性状としては少なく、色も淡いのが特徴です。また、めまい、目のかすみ、爪の乾燥などが主症状となります。本症例の多量の白色粘稠な帯下とは異なります。 正しくは:肝血虚であれば、帯下は少量で色は淡く、めまいや目のかすみ、手足のしびれなどの症状が見られます。
- 2. 腎陽虚は温煦作用の低下を特徴とし、帯下は稀薄で冷たいものが多く、腰や下肢の冷え、夜間頻尿、浮腫などの症状を伴います。本症例の帯下の性状や全身症状とは異なります。 正しくは:腎陽虚であれば、帯下は稀薄で清冷、腰や膝の冷えや痛み、頻尿、尿失禁などの症状が見られます。
- 3. 正解。脾虚湿盛は脾の運化機能が低下し、水湿が停滞して湿邪が盛んになった病態です。白色無臭で粘稠な帯下は湿邪が下焦に停滞した典型的な所見であり、「顔はやつれて血色は悪い」「舌苔白膩」「脈は緩」も脾気虚と湿盛の所見と合致するため、最も適切です。
- 4. 膀胱湿熱は湿熱の邪が膀胱に停滞した病態で、帯下は黄色や黄緑色で悪臭を伴い、排尿痛や頻尿などの膀胱刺激症状を伴います。本症例の帯下は白色無臭であるため、膀胱湿熱とは異なります。 正しくは:膀胱湿熱であれば、帯下は黄色で粘稠、悪臭を伴い、尿の混濁、排尿痛、尿意頻回、尿の渋りなどの症状が見られます。
国試ポイント
帯下の色、性状、匂いと全身症状から鑑別する脾虚湿盛の病態を理解すること。特に白色・無臭・粘稠な帯下は脾虚湿盛の特徴的な所見です。
混同注意
膀胱湿熱との区別が重要です。膀胱湿熱は黄色・粘稠・悪臭のある帯下や、排尿痛・頻尿などの膀胱刺激症状を伴います。本症例は白色無臭であるため鑑別できます。
次に同じ論点が出たら
同様の症例が出題された場合は、帯下の色、性状、匂いの他、顔色、舌苔、脈状を総合的に判断し、脾の運化機能との関連性を確認します。
覚え方
同様の症例が出題された場合は、帯下の色、性状、匂いの他、顔色、舌苔、脈状を総合的に判断し、脾の運化機能との関連性を確認します。
対になる知識
膀胱湿熱との区別が重要です。膀胱湿熱は黄色・粘稠・悪臭のある帯下や、排尿痛・頻尿などの膀胱刺激症状を伴います。本症例は白色無臭であるため鑑別できます。
関連知識
脾虚は水湿運化機能の失調を招きやすく、浮腫や軟便、倦怠感などの症状も併発しやすいです。舌苔白膩は体内湿盛の重要な指標です。脈緩は脾気虚や湿邪による気血運行の遅滞を示します。