次の文で示す病証に対する治療穴で最も適切なのはどれか。「33歳の男性。主訴は上腹部の不快感。連日、飲食の不摂生が続き、悪心、嘔吐がみられる。腹部膨満、噯気、口臭を伴う。舌は厚苔、脈は滑実を認める。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
問題文の症状は、飲食不摂生による消化不良、食物の停滞を示唆しており、中医弁証では「食滞」と判断されます。悪心、嘔吐、腹部膨満、噯気、口臭、厚苔、滑実脈はすべて食滞の典型的な所見です。梁門(りょうもん)は足陽明胃経の経穴で、胃の募穴である中脘の近くに位置し、胃の機能調整、特に食滞や胃痛、腹部膨満、嘔吐などの胃腸症状に高い治療効果を発揮します。
選択肢ごとの解説
- 1. 膻中(だんちゅう)は任脈の経穴で、宗気の集まる所で、心肺疾患や胸部の不快感、喘息、乳腺炎などに用いられます。本症例の主訴である上腹部の不快感や食滞の症状には直接的な治療効果は期待できません。 正しくは:膻中は、呼吸器や循環器系の症状、胸悶、咳喘、動悸、乳汁分泌不全などに適応します。
- 2. 正解。梁門は足陽明胃経の経穴で、胃の機能調整、特に食滞による胃痛、腹部膨満、嘔吐、消化不良などに優れた効果を発揮します。本症例の食滞の弁証に最も合致する治療穴です。
- 3. 帯脈(たいみゃく)は足少陽胆経の経穴で、帯脈の循行上に位置し、婦人科疾患(月経不順、帯下)、腰部の冷えや痛み、下腹部の膨満感などに用いられます。本症例の食滞とは関連が薄いです。 正しくは:帯脈は、月経不順、帯下、腰痛、下肢の無力感などに適応します。
- 4. 肓兪(こうゆ)は腎経の経穴で、臍の近くに位置します。主に下腹部の冷え、腹痛、便秘、下痢、腎虚による症状などに用いられます。本症例は食滞による上腹部の不快感が主訴であり、肓兪の主治とは異なります。 正しくは:肓兪は、腹痛、便秘、下痢、腸鳴、腎虚腰痛などに適応します。
国試ポイント
中医学における食滞の弁証と、その治療に用いられる主要な経穴を理解し、区別して覚えることが重要です。特に胃経の経穴や募穴、原穴などの特効穴は確実に押さえましょう。
混同注意
単なる胃の不調と食滞を混同しないように注意が必要です。食滞は飲食不摂生という明確な原因があり、食物の停滞を示す症状(腹部膨満、噯気、口臭、悪心、嘔吐、厚苔、滑実脈など)が特徴的です。他の胃腸疾患との鑑別が重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まず問題文から弁証を特定します。悪心、嘔吐、腹部膨満、噯気、厚苔、滑実脈といった症状から「食滞」を判断し、その上で食滞に効果的な胃経の経穴や胃の機能を調整する経穴を選択します。
覚え方
同様の問題が出題された場合は、まず問題文から弁証を特定します。悪心、嘔吐、腹部膨満、噯気、厚苔、滑実脈といった症状から「食滞」を判断し、その上で食滞に効果的な胃経の経穴や胃の機能を調整する経穴を選択します。
対になる知識
単なる胃の不調と食滞を混同しないように注意が必要です。食滞は飲食不摂生という明確な原因があり、食物の停滞を示す症状(腹部膨満、噯気、口臭、悪心、嘔吐、厚苔、滑実脈など)が特徴的です。他の胃腸疾患との鑑別が重要です。
関連知識
食滞に対する他の治療穴としては、中脘(胃の募穴)、足三里(胃腸機能調整の要穴)、内関(悪心嘔吐の特効穴)、公孫(脾の絡穴)などが挙げられます。弁証論治に基づき、これらの経穴を組み合わせて使用することが一般的です。