「25歳の男性。3か月前から膨満感を伴う上腹部痛、嘔気が続く。症状はストレスで増悪、噯気で軽快する。下痢はない。舌は薄黄苔、脈は弦を認める。」 上腹部痛の性質として最も適切なのはどれか。
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
上腹部痛の性質として脹痛は、内臓の伸展や拡張によって生じる鈍い痛みを指し、特に胃や腸の過伸展、ガスの貯留、消化管の通過障害などで感じやすい。これは、腹腔内臓器が体性神経支配ではなく自律神経支配であるため、切られたり焼かれたりしても痛みを感じにくい一方で、伸展には非常に敏感であるという特徴に基づく。このため、内臓由来の痛みの表現として「脹痛」が最も適切である。
選択肢ごとの解説
- 1. 酸痛は、胃酸による粘膜刺激によって生じる焼け付くような痛みを指し、胃食道逆流症や胃潰瘍などでみられるが、上腹部痛全般の最も代表的な性質とは言えない。 正しくは:胃酸の刺激による痛みの場合は「酸痛」と表現されるが、これは特定の病態に限定される。
- 2. 正解。脹痛は、上腹部痛の性質として最も適切である。これは内臓の伸展、拡張、またはガスの貯留によって生じる鈍く重い痛みであり、内臓痛の代表的な表現である。
- 3. 重痛は、鈍くて重い感じの痛みを指すが、脹痛ほど内臓の伸展や拡張という機序を直接的に示唆するものではない。一般的な表現に過ぎないため、より具体的な「脹痛」が適切。 正しくは:内臓の伸展・拡張による場合は「脹痛」と区別する。
- 4. 隠痛は、明確でなく漠然とした痛みを指し、どこが痛いかはっきりしない場合に使われる。上腹部痛の性質を説明する用語としては適切ではない。 正しくは:漠然とした痛み全般を指す場合があるが、特定の痛みの性質を表すには不十分である。
国試ポイント
内臓痛の性質と具体的な表現を理解することが重要である。特に、内臓の伸展や拡張が痛みの主な原因となることを押さえる。
混同注意
表面的な痛み(体性痛)と内臓由来の痛み(内臓痛)の表現の違い。体性痛は鋭く局在がはっきりしているのに対し、内臓痛は鈍く、広範囲で、局在が不明瞭である。
次に同じ論点が出たら
上腹部痛の性質を問われた場合、内臓の伸展や圧迫による「脹痛」を第一に考慮し、関連症状や他の痛みの性質(鋭さ、局在性)と比較して判断する。
覚え方
上腹部痛の性質を問われた場合、内臓の伸展や圧迫による「脹痛」を第一に考慮し、関連症状や他の痛みの性質(鋭さ、局在性)と比較して判断する。
対になる知識
表面的な痛み(体性痛)と内臓由来の痛み(内臓痛)の表現の違い。体性痛は鋭く局在がはっきりしているのに対し、内臓痛は鈍く、広範囲で、局在が不明瞭である。
関連知識
内臓痛は自律神経を介して伝えられるため、放散痛や関連痛として別の部位に感じられることがある。例えば、心筋梗塞で左肩に放散痛を感じる、胆嚢炎で右肩に放散痛を感じるなど。また、内臓痛は悪心、嘔吐、発汗などの自律神経症状を伴うことが多い。