側頸部に位置する腕神経叢の完全損傷によって起こる麻痺症状はどれか。
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正解は4番
解説
腕神経叢の完全損傷(全型麻痺)では、第5頸神経から第1胸神経までの前枝に由来する神経根が広範囲に障害されるため、上肢全体の運動麻痺および感覚障害、深部腱反射の消失が起こる。さらに、交感神経の脊髄からの遠心性線維が途絶されることでホルネル徴候を合併することもある。
選択肢ごとの解説
- 1. 下垂手は橈骨神経麻痺によって生じる特徴的な症状であり、腕神経叢完全損傷の症状ではない。
- 2. 三角筋単独の麻痺は腋窩神経の障害などでみられるものであり、腕神経叢完全損傷の症状ではない。
- 3. 猿手は正中神経の障害によって生じる特徴的な症状であり、腕神経叢完全損傷の症状ではない。
- 4. 正解。腕神経叢の完全損傷(全型麻痺)では、第5頸神経から第1胸神経までの前枝に由来する神経根が広範囲に障害されるため、上肢全体の運動麻痺および感覚障害、深部腱反射の消失が起こる。さらに、交感神経の脊髄からの遠心性線維が途絶されることでホルネル徴候を合併することもある。
国試ポイント
単一の末梢神経障害(橈骨・尺骨・正中・腋窩など)と、根レベル・束レベルである腕神経叢損傷の症状の広がりを比較して出題される。
覚え方
「全型は、ぜんぶ(全)神経やられる」
対になる知識
単一の末梢神経障害としては、橈骨神経障害による下垂手、正中神経障害による猿手、尺骨神経障害による鷲手、腋窩神経障害による肩外転障害などが挙げられる。これら単神経障害に対し、腕神経叢損傷は上肢全体の広範囲な運動および感覚麻痺を呈する。
関連知識
腕神経叢は頸髄C5から胸髄Th1の前枝で構成され、上位型のエルブ麻痺や下位型のデジュリン・クルンプケ麻痺に分類される。分娩麻痺やバイク事故などの外傷による牽引損傷、胸郭出口症候群などで障害を受けることが多く、リハビリテーションと神経学的評価が極めて重要となる。