パーキンソン病において、立ち直り反射の障害やバランスの不安定性がある重症度でのリハビリテーション治療で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
パーキンソン病の重症度が高い場合、特に立ち直り反射障害やバランス不安定性が見られる時期では、姿勢反射の改善や転倒予防がリハビリテーションの主要な目標となる。線またぎ訓練は、重心移動能力の向上、歩行の開始・停止の困難さ(すくみ足)の改善、および歩行リズムの調整に有効であり、バランス能力を直接的に鍛えるのに最も適している。
選択肢ごとの解説
- 1. 呼吸訓練は嚥下障害や誤嚥性肺炎の予防、胸郭可動域の維持に重要であるが、立ち直り反射障害やバランスの不安定性に対して直接的な改善効果は低い。ただし、進行期においては呼吸機能の低下も見られるため、補助的に行われる。 正しくは:立ち直り反射障害やバランスの不安定性には、重心移動や姿勢制御を促す訓練が優先される。
- 2. 正解。線またぎ訓練は、視覚的手がかりを利用して歩行開始困難(すくみ足)の改善や歩行リズムの調整、重心移動の練習に繋がる。これは立ち直り反射の改善やバランス能力の向上に直接的に寄与し、転倒予防に最も効果的である。
- 3. 体位変換は、褥瘡予防や関節拘縮予防に重要であるが、立ち直り反射やバランスそのものの訓練にはならない。他動的な介助が多い場合、能動的なバランス制御能力の改善には寄与しにくい。 正しくは:体位変換はあくまで二次的合併症の予防であり、問題の症状に対しては能動的な運動療法が必要となる。
- 4. 自助具の導入は、ADL(日常生活動作)の自立度を高めるために有効であるが、それはあくまで既存の能力を補助するものであり、立ち直り反射やバランス能力そのものの改善を目的とした訓練ではない。訓練と補助具の役割を区別する必要がある。 正しくは:自助具は動作を支援するものであり、バランス能力の訓練そのものを行うものではない。訓練によって能力改善を図ることが優先される。
国試ポイント
パーキンソン病の病期に応じたリハビリテーション方法の選択。特に進行期における姿勢保持困難やバランス障害に対する具体的介入。
混同注意
各リハビリテーションの適応病期や具体的な効果を混同しやすい。例えば、自助具はADL改善に寄与するが、バランス能力そのものを改善する訓練ではない。
次に同じ論点が出たら
パーキンソン病の重症度(特にHoehn & Yahr III期以降でバランス障害が主となる場合)と、その症状(立ち直り反射障害、バランス不安定性、すくみ足)を正確に把握し、それらの症状に直接的にアプローチする訓練法を選ぶ。
覚え方
パーキンソン病の重症度(特にHoehn & Yahr III期以降でバランス障害が主となる場合)と、その症状(立ち直り反射障害、バランス不安定性、すくみ足)を正確に把握し、それらの症状に直接的にアプローチする訓練法を選ぶ。
対になる知識
各リハビリテーションの適応病期や具体的な効果を混同しやすい。例えば、自助具はADL改善に寄与するが、バランス能力そのものを改善する訓練ではない。
関連知識
パーキンソン病の症状進行度分類(Hoehn & Yahr重症度分類)と、それぞれの病期で推奨されるリハビリテーション戦略。ステージII-IIIあたりでバランス障害が顕著となる。