「56歳の男性。数日前から続く右肩甲部や右上腕外側の痛みと、右前腕橈側から右手橈側のしびれを主訴に来院した。」 装具療法を行う場合に最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
頸椎装具は、不安定な頸椎を外部から固定し、過度な運動を制限することで、脊髄や神経根の損傷予防、疼痛の軽減、骨折や脱臼の安定化を図る。これにより、不安定な頸椎における病態の進行を抑制し、安静を保持することが可能となり、装具療法の最も典型的な適用となるため、適切である。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。頸椎装具は、頸椎の不安定性、骨折、脱臼、炎症性疾患などに対して、頸部の運動を制限し、安静を保ち、脊髄・神経根の保護や疼痛の軽減を目的として用いられるため、装具療法として最も適切である。
- 2. 肩関節外転装具は、肩関節周囲の組織損傷(例:腱板断裂術後、人工肩関節置換術後)や脱臼後の固定、拘縮予防のために用いられるが、問題文に具体的な病態が示されていないため、最も適切とは断定しにくい。特に緊急性や固定の必要性が頸椎装具ほど高いとは限らない。 正しくは:肩関節外転装具は腱板断裂術後や肩関節脱臼後の固定に用いられる。より適切な選択肢がある。
- 3. テニス肘バンドは、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)による前腕筋群への負担を軽減するための補助具であり、厳密な意味での装具療法というよりは、症状緩和や再発予防を目的とした補助的なバンドである。頸椎装具のような構造的な支持や固定を目的とした装具とは異なる。 正しくは:テニス肘バンドは補助具であり、装具療法の一般的な定義から外れる場合がある。炎症の急性期や重度の機能障害には不十分。
- 4. 手関節背屈装具は、手関節の機能障害(例:橈骨神経麻痺による下垂手、脳卒中後の痙性麻痺)に対して、手関節を機能的な位置に保持し、拘縮予防や機能改善を目的として用いられる。これも装具療法の一つであるが、問題文に具体的な疾患が示されていないため、最も適切とは断定しにくい。頸椎装具は生命に関わる可能性のある脊髄保護の側面も持つため、より優先度が高いと考えられる。 正しくは:手関節背屈装具は橈骨神経麻痺による下垂手や脳卒中後の痙性麻痺に用いられる。より適切な選択肢がある。
国試ポイント
装具の適応疾患、目的、装着方法を具体的に理解すること。
混同注意
装具とコルセット、ギプスの違い。装具は可動性を一部残しつつ支持・保護するのに対し、ギプスは完全に固定する目的で使用されることが多い。コルセットは体幹装具の一種。
次に同じ論点が出たら
今後同様の装具問題が出題された場合は、各装具が「どの部位に」「どのような疾患や目的で」用いられるかを具体的に確認する。
覚え方
今後同様の装具問題が出題された場合は、各装具が「どの部位に」「どのような疾患や目的で」用いられるかを具体的に確認する。
対になる知識
装具とコルセット、ギプスの違い。装具は可動性を一部残しつつ支持・保護するのに対し、ギプスは完全に固定する目的で使用されることが多い。コルセットは体幹装具の一種。
関連知識
装具の種類(例:体幹装具、上肢装具、下肢装具)、各装具の適応疾患(例:頸椎カラーは頸椎捻挫、胸腰仙椎装具は脊椎圧迫骨折、KAFOは大腿四頭筋麻痺など)、装具療法の目的(疼痛緩和、関節保護、変形矯正、機能改善)。