「72歳の女性。頻尿と尿意切迫感を主訴に来院した。尿一般検査と尿細菌検査に異常はなかった。腹部超音波検査で残尿はみられなかった。」 考えられる疾患はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
過活動膀胱は、膀胱に尿が少量しか貯まっていないにもかかわらず、自分の意思とは関係なく膀胱が収縮してしまう疾患です。この不随意収縮が突然の強い尿意(尿意切迫感)を引き起こし、多くの場合、我慢できずに尿が漏れてしまう切迫性尿失禁を伴います。問題文の「急な尿意」「トイレが間に合わないことがある」という症状は、尿意切迫感と切迫性尿失禁を強く示唆しており、過活動膀胱の典型的な症状と一致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性膀胱炎は細菌感染による膀胱の炎症であり、頻尿や排尿痛、残尿感を伴いますが、必ずしも「急な尿意でトイレが間に合わない」という切迫性尿失禁を主症状とするわけではありません。また、発熱や血尿を伴うことが多いです。 正しくは:発熱、血尿、排尿時痛などの症状があれば急性膀胱炎を強く疑います。
- 2. 腎盂腎炎は腎臓および腎盂の細菌感染であり、発熱、悪寒、腰背部痛、CVA叩打痛などの全身症状や、腎臓病変に起因する症状が主です。排尿症状は膀胱炎を合併しない限り軽微です。 正しくは:発熱、悪寒、腰背部痛、CVA叩打痛、全身倦怠感があれば腎盂腎炎を強く疑います。
- 3. 正解。「急な尿意」「トイレが間に合わないことがある」という症状は、尿意切迫感と切迫性尿失禁を示しており、過活動膀胱の典型的な症状です。
- 4. 腎結石は腎臓に結石が存在する状態であり、症状としては主に、結石が尿管に下降する際に起こる激しい疝痛(腎疝痛)や血尿が特徴です。排尿症状は直接的なものではありません。 正しくは:突然の激しい腰部や側腹部の痛み(疝痛)、血尿があれば腎結石を強く疑います。
国試ポイント
過活動膀胱の主要症状である尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁を正確に理解し、他の排尿障害を伴う疾患(特に炎症性疾患や結石)との鑑別点を覚える必要があります。
混同注意
尿意切迫感は多くの泌尿器疾患でみられますが、過活動膀胱は感染症や結石などの器質的疾患がないにもかかわらず、膀胱の機能異常によって起こる点が異なります。特に間質性膀胱炎とは鑑別が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の症例問題が出た場合、「急な尿意(尿意切迫感)」「トイレが間に合わない(切迫性尿失禁)」というキーワードに注目し、発熱や血尿などの感染・結石を示唆する症状の有無を確認して鑑別します。
覚え方
同様の症例問題が出た場合、「急な尿意(尿意切迫感)」「トイレが間に合わない(切迫性尿失禁)」というキーワードに注目し、発熱や血尿などの感染・結石を示唆する症状の有無を確認して鑑別します。
対になる知識
尿意切迫感は多くの泌尿器疾患でみられますが、過活動膀胱は感染症や結石などの器質的疾患がないにもかかわらず、膀胱の機能異常によって起こる点が異なります。特に間質性膀胱炎とは鑑別が必要です。
関連知識
過活動膀胱の治療には、薬物療法(抗コリン薬、β3アドレナリン受容体作動薬)、行動療法(膀胱訓練、骨盤底筋体操)、生活指導などがあります。診断には排尿日誌が有用であり、国際的な評価尺度であるOABSS(過活動膀胱症状スコア)も用いられます。