競輪選手が膝関節外側の痛みを訴えて来院した。内反ストレステストが陰性でグラスピングテストが陽性であるとき、障害されている組織はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
正解は2番
解説
グラスピングテスト(ノーブル圧迫テスト)は、膝を30度屈曲位にして大腿骨外側上顆部を圧迫しながら屈伸させると、腸脛靱帯が大腿骨外側上顆と摩擦を起こして疼痛を誘発するテストであり、腸脛靱帯炎に特異的である。また、内反ストレステストが陰性であることから、外側側副靱帯損傷は除外される。
選択肢ごとの解説
- 1. 半月板は膝関節の衝撃吸収や安定性に関与し、マクマレーテストやアプレンテストなどで損傷が評価される。大腿骨外側上顆との摩擦による特異的所見とは異なる。
- 2. 正解。グラスピングテスト(ノーブル圧迫テスト)は、膝を30度屈曲位にして大腿骨外側上顆部を圧迫しながら屈伸させると、腸脛靱帯が大腿骨外側上顆と摩擦を起こして疼痛を誘発するテストであり、腸脛靱帯炎に特異的である。また、内反ストレステストが陰性であることから、外側側副靱帯損傷は除外される。
- 3. 内側側副靱帯は膝関節の内側安定性に関与し、外反ストレステストで損傷が評価される。本症例では内反ストレステストが陰性であり、外側側副靱帯の異常はない。
- 4. 前十字靱帯は膝関節の前方不安定性に関与し、前方引き出しテストやラックマンテストで損傷が評価される。膝外側の摩擦やグラスピングテストとは関係がない。
国試ポイント
スポーツ障害における特異的テストの組合せ(腸脛靱帯炎とグラスピングテスト/ノーブル圧迫テスト)は臨床上および国家試験で重要である。
覚え方
腸脛靱帯炎=グラスピング(把持・摩擦)テスト
対になる知識
膝関節外側の痛みを鑑別する際、外側側副靱帯損傷を評価する内反ストレステストに対し、腸脛靱帯の摩擦障害を評価するグラスピングテストが対比される。また、内側側副靱帯損傷では外反ストレステスト、半月板損傷ではマクマレーテストが用いられ、各組織の損傷に応じたテストを整理しておく必要がある。
関連知識
腸脛靱帯炎はランナーや自転車競技選手などの膝の屈伸運動を反復するスポーツ選手に多くみられる。大腿骨外側上顆と腸脛靱帯の摩擦により同部に炎症が生じるため、内反ストレステスト(外側側副靱帯の評価)は陰性となり、屈伸時に摩擦痛を誘発するグラスピングテストが陽性となる。