次の文で示す症例で考えられる疾患はどれか。「65歳の女性。軽度の肥満。主訴は膝痛。膝の内側が動作開始時や疲労時に痛む。膝のロッキングはみられない。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
65歳女性、軽度の肥満、膝内側痛、動作開始時痛、疲労時痛は、変形性膝関節症に特徴的な所見である。関節軟骨の摩耗と変性が進行し、骨棘形成や関節裂隙狭小化をきたすことで、荷重時や動作開始時に疼痛が生じる。
選択肢ごとの解説
- 1. 腸脛靱帯炎は、膝の外側(大腿骨外側上顆)に痛みが生じることが多く、ランニングなどのスポーツ活動が誘因となることが多い。本症例の「膝の内側が痛む」という所見とは一致しない。 正しくは:膝の外側痛、スポーツ活動(ランニングなど)が誘因
- 2. 内側滑膜ひだ障害(タナ障害)は、膝の前面〜内側に痛みを訴えることがあるが、中年女性に多く、ロッキング症状がみられることがある。本症例ではロッキングはみられないと明記されており、高齢者の変形性膝関節症の典型的な症状とは異なる。 正しくは:ロッキング症状があることが多い、中年女性に多い
- 3. 正解。65歳女性、軽度の肥満、膝内側痛、動作開始時痛、疲労時痛は、変形性膝関節症の典型的な症候である。加齢に伴う関節軟骨の変性、摩耗が主な原因となる。
- 4. 膝蓋靱帯炎は、膝蓋骨下端部(膝蓋靱帯付着部)に痛みが生じ、ジャンプ動作などスポーツ活動が誘因となることが多い。ジャンパー膝とも呼ばれる。本症例の「膝の内側が痛む」という所見や年齢層、活動性とは一致しない。 正しくは:膝蓋骨下端部の痛み、ジャンプ動作が誘因
国試ポイント
変形性膝関節症の典型的な症候(高齢、肥満、膝内側痛、動作開始時痛、疲労時痛)を理解し、他の膝関節疾患との鑑別ができること。
混同注意
変形性膝関節症は、高齢者における膝関節痛の原因として最も頻度が高く、特徴的な症状や画像所見で診断される。スポーツ活動が誘因となることの多い腸脛靱帯炎や膝蓋靱帯炎、特発性のタナ障害と鑑別する必要がある。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合は、患者の年齢、性別、体型、痛みの部位(内側、外側、前面など)、痛みの種類(動作開始時痛、安静時痛、夜間痛など)、ロッキングの有無、既往歴などを総合的に見て判断する。
覚え方
同様の問題が出た場合は、患者の年齢、性別、体型、痛みの部位(内側、外側、前面など)、痛みの種類(動作開始時痛、安静時痛、夜間痛など)、ロッキングの有無、既往歴などを総合的に見て判断する。
対になる知識
変形性膝関節症は、高齢者における膝関節痛の原因として最も頻度が高く、特徴的な症状や画像所見で診断される。スポーツ活動が誘因となることの多い腸脛靱帯炎や膝蓋靱帯炎、特発性のタナ障害と鑑別する必要がある。
関連知識
変形性膝関節症の画像所見としては、関節裂隙の狭小化、骨棘形成、軟骨下骨硬化、骨嚢胞形成などがある。治療には保存療法(薬物療法、運動療法、装具療法)と手術療法(高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術)がある。