心嚢液の大量貯留による心拍出量低下に対する処置はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
正解は2番
解説
心嚢液の大量貯留により心臓の拡張が阻害される心タンポナーデに対しては、心嚢穿刺を行って液体を排泄し、心拍出量を改善させる。
選択肢ごとの解説
- 1. 心肺蘇生法は心停止に対する一次および二次救命処置であり、心嚢液の大量貯留による心タンポナーデに対する根本的な治療とはならないため不適切である。
- 2. 正解。心嚢液の大量貯留により心臓の拡張が阻害される心タンポナーデに対しては、心嚢穿刺を行って液体を排泄し、心拍出量を改善させる。
- 3. 気管内挿管は気道確保のための処置であり、心嚢液貯留による心タンポナーデに対する根本的な治療とはならないため不適切である。
- 4. 胸腔ドレナージは胸腔内に貯留した空気や血液などを排泄する手技であり、心嚢腔の液体を排除する目的では行われないため不適切である。
国試ポイント
心タンポナーデ(心嚢腔の液体貯留による拡張障害)に対する緊急処置として「心嚢穿刺」が選べるかを問う問題。緊張性気胸の「胸腔ドレナージ」との違いを整理しておくこと。
覚え方
心臓を囲む心嚢の異常には「心嚢穿刺」 ⇄ 胸膜腔の異常には「胸腔ドレナージ」
対になる知識
心タンポナーデは心嚢腔への急速な液体貯留により心拡張が著しく阻害される緊急病態であり、直ちに心嚢穿刺を行って心嚢液を排出しなければならない。これに対し、胸腔内に空気や液体が貯留して肺の拡張が妨げられる緊張性気胸や大量胸水に対しては、胸腔ドレナージを選択して圧迫を解除し、胸腔内の陰圧を回復させる処置が必要となる。
関連知識
心タンポナーデの臨床的特徴として、ベックの三徴(血圧低下、静脈圧上昇による頸静脈怒張、心音遠隔)が極めて重要である。心囊腔内圧の上昇により右心系への静脈還流が障害され、ショック状態に陥るため一刻を争う。同様に、胸郭内の陽圧化により静脈還流が途絶え循環不全をきたす緊張性気胸も、緊密な鑑別と迅速な減圧処置が求められる致命的な病態である。