55歳の男性。急激な左耳の痛みと顔面の違和感を主訴に来院した。診察したところ、左外耳孔に小水疱が認められ、同側の顔面神経麻痺および難聴を伴っていた。最も考えられる疾患はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
正解は2番
解説
耳痛、同側の顔面神経麻痺、難聴、外耳孔の水疱は、帯状疱疹ウイルスによる膝神経節の炎症が原因で発症するラムゼイハント症候群の典型的な症状である。
選択肢ごとの解説
- 1. ギラン・バレー症候群は四肢の弛緩性麻痺を主徴とする多発性神経炎であり、外耳孔の水疱を伴う限局的な耳痛や難聴は特徴的ではない。
- 2. 正解。耳痛、同側の顔面神経麻痺、難聴、外耳孔の水疱は、帯状疱疹ウイルスによる膝神経節の炎症が原因で発症するラムゼイハント症候群の典型的な症状である。
- 3. 三叉神経痛は顔面の激しい発作性疼痛を主症状とし、外耳孔の水疱や顔面神経麻痺を伴うものではない。
- 4. ベル麻痺は原因不明の特発性顔面神経麻痺であり、外耳道の小水疱や難聴を伴わない。本問の患者は水疱や難聴を合併しているため、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因であるラムゼイハント症候群に該当する。
国試ポイント
「外耳孔の水疱」「難聴」「顔面神経麻痺」のキーワードが揃ったらラムゼイハント症候群と即座に判断できるかが問われる。
覚え方
ハント(Hunt)=水疱(ハンティング=狩猟で獲物を探す=水疱を探す)
対になる知識
顔面神経麻痺を伴う代表的な疾患の特徴を対比して覚える。特発性顔面神経麻痺であるベル麻痺は、耳介の水疱形成や聴力障害を伴わず、比較的予後が良好である。これに対し、ラムゼイハント症候群は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化により外耳道の小水疱、激しい耳痛、難聴、めまいを伴い、ベル麻痺と比較して予後不良の傾向がある。
関連知識
膝神経節は顔面神経の感覚枝(中間神経)の神経節であるため、ここに潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化することで、外耳道や耳介に特徴的な小水疱が出現する。顔面神経麻痺だけでなく内耳障害による難聴やめまいを合併し、早期の抗ウイルス薬投与が治療上極めて重要となる。