次の文で示す病証でみられる便秘はどれか。「34歳の女性。半年前に仕事を辞め、新しい仕事を探しつつ、夜中はテレビゲームで遊んでいることが多い。噯気が頻繁に起こり、腹部の膨満感を伴う。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
問題文の女性は、仕事のストレスや不規則な生活(夜間のテレビゲーム)により、肝の疏泄機能が失調し、気の巡りが滞っていると考えられます。肝鬱気滞による気の巡りの悪化は、大腸の伝導機能にも影響を及ぼし、便の排出を阻害するため、気秘の病態と判断されます。噯気や腹部膨満感も気滞の症状です。
選択肢ごとの解説
- 1. 熱秘は、熱邪が体内にこもり、津液を消耗して腸を乾燥させることで起こる便秘です。熱証を示す症状(顔面紅潮、口渇、尿量減少、舌紅苔黄燥など)が問題文には記載されていません。 正しくは:問題文に顔面紅潮、口渇、尿量減少、舌紅苔黄燥などの熱証が明記されていれば熱秘が適切です。
- 2. 正解。「仕事を辞め、新しい仕事を探しつつ、夜中はテレビゲームで遊んでいることが多い」という状況はストレスや不規則な生活を示唆し、肝鬱気滞を引き起こしやすいです。これによって気の巡りが滞り、大腸の伝導機能が低下して便秘(気秘)となります。噯気や腹部膨満感も気滞の典型的な症状です。
- 3. 虚秘は、気虚、血虚、陰虚などにより、腸の蠕動運動や推進力が不足して起こる便秘です。気虚であれば倦怠感や息切れ、血虚であれば顔色不良やめまい、陰虚であれば寝汗や口渇などの虚証を示す症状が問題文にはありません。 正しくは:問題文に倦怠感、息切れ、顔色不良、めまい、寝汗、口渇などの虚証が明記されていれば虚秘が適切です。
- 4. 冷秘は、寒邪が体内に侵入するか、陽虚により内生寒が生じ、腸の蠕動運動が低下して起こる便秘です。悪寒、四肢の冷え、腹部の冷痛、尿量増加などの寒証を示す症状が問題文にはありません。 正しくは:問題文に悪寒、四肢の冷え、腹部の冷痛、尿量増加などの寒証が明記されていれば冷秘が適切です。
国試ポイント
便秘の弁証論治において、気秘がどのような生活習慣や随伴症状と関連するかを理解することが重要です。特にストレスや不規則な生活による肝鬱気滞が原因となることを押さえましょう。
混同注意
気秘は「気滞」による便秘であり、熱秘(実熱)、虚秘(気虚・血虚・陰虚)、冷秘(寒邪)とは病因病機が異なります。特にストレスが原因である点を重視し、単なる排便困難と混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、「ストレス」「不規則な生活」「情緒の変動」「噯気」「腹部膨満感」「ガスが多い」といった『気滞』を示唆するキーワードがあるかを確認して判断します。
覚え方
同様の論点が出た場合は、「ストレス」「不規則な生活」「情緒の変動」「噯気」「腹部膨満感」「ガスが多い」といった『気滞』を示唆するキーワードがあるかを確認して判断します。
対になる知識
気秘は「気滞」による便秘であり、熱秘(実熱)、虚秘(気虚・血虚・陰虚)、冷秘(寒邪)とは病因病機が異なります。特にストレスが原因である点を重視し、単なる排便困難と混同しないように注意が必要です。
関連知識
気秘の治療には、肝の疏泄を促し、気の巡りを改善する理気薬(例:枳実、香附子、厚朴)や漢方薬(例:柴胡疎肝散、六君子湯加減)が用いられます。また、生活習慣の改善(ストレス軽減、規則正しい生活)も重要です。