次の文で示す症例の施術対象となる神経根で最も適切なのはどれか。「26歳の男性。3か月前から左腰下肢の痛みを自覚するようになった。左のアキレス腱反射減弱と足部外縁から足底にかけての感覚鈍麻を認める。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
アキレス腱反射は下腿三頭筋によって引き起こされる反射であり、主にS1神経根が支配しています。また、足部外縁から足底にかけての感覚はS1神経根が支配するデルマトーム領域と一致するため、これらの所見からS1神経根が最も関連性の高い施術対象と考えられます。
選択肢ごとの解説
- 1. L3神経根の障害では、大腿前面の感覚鈍麻や大腿四頭筋の筋力低下、膝蓋腱反射の減弱が主に見られます。本症例の所見とは異なります。 正しくは:アキレス腱反射減弱と足部外縁から足底にかけての感覚鈍麻は、S1神経根の障害を示唆します。
- 2. L4神経根の障害では、膝蓋腱反射の減弱、大腿前面から下腿内側にかけての感覚鈍麻、前脛骨筋の筋力低下が主に見られます。本症例の所見とは異なります。 正しくは:アキレス腱反射減弱と足部外縁から足底にかけての感覚鈍麻は、S1神経根の障害を示唆します。
- 3. L5神経根の障害では、母趾背屈筋力の低下、下腿外側から足背にかけての感覚鈍麻が主に見られます。アキレス腱反射の減弱は通常見られません。 正しくは:アキレス腱反射減弱と足部外縁から足底にかけての感覚鈍麻は、S1神経根の障害を示唆します。
- 4. 正解。S1神経根はアキレス腱反射の求心路・遠心路を支配しており、その障害により反射減弱が生じます。また、足部外縁から足底にかけての感覚はS1デルマトームの支配領域です。これらの所見はS1神経根障害に典型的なものです。
国試ポイント
神経根症の診断には、支配筋の筋力低下、反射の異常、デルマトームに沿った感覚障害を正確に結びつけることが重要です。特に主要な反射とその神経根支配は必須知識です。
混同注意
各神経根の支配するデルマトーム、筋、反射はそれぞれ異なります。例えば、膝蓋腱反射はL4、長母趾伸筋の筋力低下はL5、アキレス腱反射はS1と覚えることで、混同を防げます。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合は、まず問題文に記載されている反射の異常と感覚鈍麻の部位を確認し、それぞれの所見がどの神経根の支配領域に属するかを判断します。
覚え方
同様の問題が出た場合は、まず問題文に記載されている反射の異常と感覚鈍麻の部位を確認し、それぞれの所見がどの神経根の支配領域に属するかを判断します。
対になる知識
各神経根の支配するデルマトーム、筋、反射はそれぞれ異なります。例えば、膝蓋腱反射はL4、長母趾伸筋の筋力低下はL5、アキレス腱反射はS1と覚えることで、混同を防げます。
関連知識
L4神経根症では膝蓋腱反射の減弱、大腿前面から下腿内側にかけての感覚鈍麻、前脛骨筋の筋力低下などがみられます。L5神経根症では、母趾背屈筋力低下、下腿外側から足背にかけての感覚鈍麻などがみられます。