次の文で示す症例で、病態把握を目的に実施する徒手検査法はどれか。「50歳の女性。主訴は右手関節橈側の痛みと腫脹。最近家事が忙しく徐々に症状が出現し、特に母指を動かすと強い仏痛がある。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
50歳女性の右手関節橈側の痛みと腫脹、母指運動時の疼痛は、ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)の典型的な症状です。アイヒホッフテストは、母指を他の指で握り込み、手関節を尺屈させることで、短母指伸筋腱と長母指外転筋腱の腱鞘での摩擦を誘発し、疼痛を再現するドケルバン病に特異的な徒手検査法だからです。
選択肢ごとの解説
- 1. チェアテストは上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の検査法であり、患者が椅子の脚を把持して持ち上げる際に肘外側に疼痛が生じるかをみるテストです。手関節橈側の痛みとは関連が薄く、本症例の病態把握には適しません。 正しくは:上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 2. トムゼンテストはチェアテストと同様に上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の検査法であり、患者が手関節を背屈位で保持し、検者が抵抗をかける際に肘外側に疼痛が生じるかをみるテストです。本症例の病態把握には適しません。 正しくは:上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 3. ファレンテストは手根管症候群の検査法であり、両手関節を最大掌屈位で保持することで、正中神経の圧迫症状(母指、示指、中指、環指橈側のしびれや痛み)が出現するかをみるテストです。本症例の痛みとしびれの部位が異なり、病態把握には適しません。 正しくは:手根管症候群
- 4. 正解。本症例は右手関節橈側の痛みと腫脹、母指運動時の疼痛があり、ドケルバン病の典型的な症状です。アイヒホッフテストは、母指を握り込み手関節を尺屈させることで、短母指伸筋腱と長母指外転筋腱の腱鞘の炎症部位に負荷をかけ、疼痛を誘発するドケルバン病の特異的な検査法であるため、正しいです。
国試ポイント
手関節周辺の疾患に対する特異的な徒手検査法と、それぞれの疾患の代表的な症状を正確に結びつけて覚えることが重要です。
混同注意
ドケルバン病の検査としてフィンケルシュタインテストも有名ですが、これはアイヒホッフテストとほぼ同じ手技であり、混同しやすいです。名称の違いを理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の症例が出た場合、まず「手関節橈側の痛み」「母指の運動時痛」というキーワードからドケルバン病を想起し、その特異的検査法を選択できるかどうかが判断のポイントとなります。
覚え方
同様の症例が出た場合、まず「手関節橈側の痛み」「母指の運動時痛」というキーワードからドケルバン病を想起し、その特異的検査法を選択できるかどうかが判断のポイントとなります。
対になる知識
ドケルバン病の検査としてフィンケルシュタインテストも有名ですが、これはアイヒホッフテストとほぼ同じ手技であり、混同しやすいです。名称の違いを理解しておく必要があります。
関連知識
ドケルバン病は、妊娠後期や産後の女性、手作業が多い人に好発します。症状が進行すると、母指の運動制限や握力低下をきたすこともあります。保存療法として安静、NSAIDs、ステロイド注射があり、難治例には腱鞘切開術が考慮されます。