次の症例で異常が認められる検査法として最も適切なのはどれか。「75歳の女性。100m程度の歩行で左下肢後面に痛みやしびれが出現するが、低い手押し車の使用で症状は出ない。足の冷感や膀胱直腸障害はない。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
症例は間欠性跛行を呈しており、手押し車の使用で症状が改善することから、脊柱管狭窄症を強く示唆しています。脊柱管狭窄症では、馬尾神経や神経根の圧迫により、アキレス腱反射を含む深部腱反射が低下することが多いため、アキレス腱反射の異常は脊柱管狭窄症の診断に有用な所見となります。
選択肢ごとの解説
- 1. SLRテスト(Straight Leg Raising Test)は、主に腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経刺激症状を評価する検査であり、この症例のように脊柱管狭窄症による間欠性跛行の診断において最も適切な検査法とは言えません。 正しくは:腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛の検査法として適切です。
- 2. 正解。症例は間欠性跛行を呈しており、脊柱管狭窄症が強く疑われます。脊柱管狭窄症では、神経根(特にS1神経根)が圧迫されることでアキレス腱反射が低下または消失することがあり、異常が認められる検査法として適切です。
- 3. バビンスキー反射は錐体路障害(中枢神経障害)を示唆する病的反射であり、脊柱管狭窄症のような末梢神経症状が主体の疾患では通常陽性になりません。症例に膀胱直腸障害がないことも、重度の脊髄症状ではないことを示唆しています。 正しくは:錐体路障害が疑われる場合に行う検査です。
- 4. フライバーグテストは、主に足のモートン病(足底神経腫)を診断するための検査であり、足指間の圧痛や神経症状を誘発することで評価します。本症例のような下肢後面の痛みやしびれを伴う間欠性跛行の診断には適切ではありません。 正しくは:モートン病の診断に用いられます。
国試ポイント
脊柱管狭窄症の診断的特徴(間欠性跛行、前かがみでの症状改善)と、それに伴う神経学的所見(深部腱反射の異常)を理解する。
混同注意
血管性間欠性跛行との鑑別が重要です。血管性では安静で改善し、体位変換は無関係ですが、神経性では前屈位で症状が緩和されます。また、下肢の冷感は血管性でよく見られます。
次に同じ論点が出たら
間欠性跛行があり、前かがみ(手押し車使用)で症状が緩和されるかをまず確認し、さらに深部腱反射や知覚・筋力検査などの神経学的所見に異常がないかを確認して判断します。
覚え方
間欠性跛行があり、前かがみ(手押し車使用)で症状が緩和されるかをまず確認し、さらに深部腱反射や知覚・筋力検査などの神経学的所見に異常がないかを確認して判断します。
対になる知識
血管性間欠性跛行との鑑別が重要です。血管性では安静で改善し、体位変換は無関係ですが、神経性では前屈位で症状が緩和されます。また、下肢の冷感は血管性でよく見られます。
関連知識
脊柱管狭窄症の治療には保存療法(薬物療法、理学療法、神経ブロック)と手術療法があります。鑑別疾患としては腰椎椎間板ヘルニア(体位による症状変化が異なる)、閉塞性動脈硬化症(脈拍触知異常や皮膚所見を伴う)などがあります。