次の文で示す症例で運動療法の対象となる筋の疲労緩和を目的に腹臥位で施術を行う場合、局所治療穴として最も適切なのはどれか。「62歳の女性。主訴は膝関節痛。内反膝と大腿前面の筋萎縮がみられたため、患者にパテラセッティングを行わせた。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
風市は、大腿外側にあるツボであり、大腿四頭筋の筋力低下がみられる内反膝の患者において、拮抗筋である外側ハムストリングスや腸脛靭帯の過緊張を緩和し、膝関節のバランスを改善することで、大腿四頭筋の疲労緩和を間接的に促す効果が期待できる。また、腹臥位でアプローチしやすい位置にあるため、運動療法後の疲労緩和に適している。
選択肢ごとの解説
- 1. 委中は膝窩中央に位置し、主に坐骨神経痛や膝関節後面痛に用いられる。問題文の症例では大腿前面の筋疲労緩和が目的であるため、直接的な適応とは言えない。 正しくは:膝関節痛の後方や坐骨神経痛の症状緩和を目的とする場合に適切。
- 2. 承扶は臀部(大腿後面中央)に位置し、主に坐骨神経痛や臀部の症状に用いられる。問題文の症例では大腿前面の筋疲労緩和が目的であり、部位が異なるため適切ではない。 正しくは:坐骨神経痛やハムストリングスの疲労緩和、臀部の症状緩和を目的とする場合に適切。
- 3. 正解。風市は大腿外側に位置し、胆経のツボである。大腿四頭筋の疲労緩和を目的とする場合、拮抗筋群であるハムストリングス外側や腸脛靭帯の過緊張を緩和することで、間接的に大腿四頭筋の負担軽減に繋がる。内反膝では外側組織の緊張が高まりやすいため、その緩和は重要である。また、腹臥位でアプローチしやすい。
- 4. 膝陽関は膝関節外側に位置し、主に膝関節外側の痛みや腫脹に用いられる。問題文の症例では大腿前面の筋疲労緩和が主目的であり、膝陽関は直接的な関連性が低い。また、風市と比較して、より膝関節外側の局所的な問題に対応する。 正しくは:膝関節外側の痛みや炎症、靭帯損傷など、膝関節外側の局所症状の緩和を目的とする場合に適切。
国試ポイント
膝関節痛に対する局所治療穴の選択において、主訴だけでなく、患者の姿勢、病態(内反膝、筋萎縮)、および施術体位を総合的に考慮して、最も効果的なツボを選ぶことが重要である。特に、大腿四頭筋の疲労緩和を目的とする場合、関連する筋群や神経走行に着目する必要がある。
混同注意
膝関節周囲のツボは多く、それぞれの作用と適応を正確に理解することが重要である。特に、大腿前面の筋疲労緩和を目的とする際に、直接的な膝関節周囲のツボだけでなく、関連する筋群や神経支配を考慮したツボの選択が求められる。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず主訴(膝関節痛)と病態(内反膝、大腿前面の筋萎縮)、そして目的(運動療法の対象となる筋の疲労緩和)、さらに施術体位(腹臥位)の4点を確認し、これらすべてに合致するツボを選択する。
覚え方
同様の問題が出た場合、まず主訴(膝関節痛)と病態(内反膝、大腿前面の筋萎縮)、そして目的(運動療法の対象となる筋の疲労緩和)、さらに施術体位(腹臥位)の4点を確認し、これらすべてに合致するツボを選択する。
対になる知識
膝関節周囲のツボは多く、それぞれの作用と適応を正確に理解することが重要である。特に、大腿前面の筋疲労緩和を目的とする際に、直接的な膝関節周囲のツボだけでなく、関連する筋群や神経支配を考慮したツボの選択が求められる。
関連知識
内反膝の患者では、大腿四頭筋(特に内側広筋)の筋力低下と、外側ハムストリングスや腸脛靭帯の短縮・過緊張がよくみられる。これらのアンバランスを是正することが、膝関節痛の軽減と機能改善に繋がる。パテラセッティングは大腿四頭筋の収縮を促す運動である。