「50歳の男性。主訴は食欲不振。急な腹痛や嘔気があり、病院で胃の出血性びらんを指摘され、飲酒を控えるように言われた。口が苦く、舌質は紅、舌苔は厚膩、脈は滑数を認める。」 腹痛が最も認められる部位はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
急性胃炎や胃潰瘍など、上部消化管の炎症や損傷による腹痛は、心窩部に最も強く感じられることが一般的です。これは、胃が心窩部の領域に位置し、内臓痛がその臓器が支配する脊髄神経の分節に放散するためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。心窩部は胃の存在する部位であり、胃炎や胃潰瘍など上部消化管の疾患による腹痛が最も多く認められます。
- 2. 臍部痛は小腸疾患(腸炎、腸閉塞など)で認められることが多いですが、漠然とした腹痛として感じられることもあります。心窩部痛ほど疾患特異性は高くありません。 正しくは:小腸疾患による腹痛は臍部で感じられることが多い。
- 3. 側腹部痛は、主に腎臓や尿管の疾患(腎盂腎炎、尿管結石など)で認められることが多いです。この問題文で「最も認められる腹痛」として一般的なものではありません。 正しくは:腎臓や尿管の疾患による痛みは側腹部で感じられることが多い。
- 4. 下腹部痛は、大腸疾患(虫垂炎、大腸炎、憩室炎など)や泌尿生殖器疾患(膀胱炎、子宮疾患など)で認められることが多いです。一般的な腹痛の代表部位とは言えません。 正しくは:大腸や泌尿生殖器の疾患による痛みは下腹部で感じられることが多い。
国試ポイント
腹痛部位と関連する主要臓器および疾患を覚えることが重要です。特に、心窩部痛が上部消化管疾患と密接に関連することを理解する。
混同注意
心窩部痛は、虚血性心疾患による放散痛と混同されることがありますが、腹痛の場合は消化器症状を伴うことが多いです。また、心窩部痛が必ずしも胃疾患とは限らず、膵臓や胆嚢疾患でも起こりうる点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
腹痛の部位と合わせて、どのような性状の痛みか(持続性、間欠性、差し込むような痛みなど)、随伴症状(吐き気、嘔吐、発熱、下痢、便秘など)があるかを確認し、鑑別疾患を絞り込む。
覚え方
腹痛の部位と合わせて、どのような性状の痛みか(持続性、間欠性、差し込むような痛みなど)、随伴症状(吐き気、嘔吐、発熱、下痢、便秘など)があるかを確認し、鑑別疾患を絞り込む。
対になる知識
心窩部痛は、虚血性心疾患による放散痛と混同されることがありますが、腹痛の場合は消化器症状を伴うことが多いです。また、心窩部痛が必ずしも胃疾患とは限らず、膵臓や胆嚢疾患でも起こりうる点に注意が必要です。
関連知識
腹部9領域区分(心窩部、臍部、恥骨上部、左右季肋部、左右側腹部、左右鼠径部)と、それぞれの領域に関連する主要臓器および代表疾患をセットで覚える。例えば、右季肋部痛は胆嚢疾患、右下腹部痛は虫垂炎など。