「52歳の男性。3週間前に風邪を引き、現在も咳と軽度な息切れが残っている。近医で喘息と言われ気管支拡張剤を処方された。」 気管支拡張剤が作用する受容体はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
気管支拡張剤として用いられる抗コリン薬は、気管支平滑筋のムスカリンM3受容体を遮断することで、アセチルコリンによる気管支収縮作用を抑制し、気管支を拡張させます。これは副交感神経系の作用を抑制することによるものです。
選択肢ごとの解説
- 1. ニコチン受容体は骨格筋の神経筋接合部や自律神経節に存在し、気管支平滑筋の拡張には直接関与しません。気管支拡張剤の主要な標的ではありません。 正しくは:ニコチン受容体に作用する薬は、骨格筋の収縮や神経節興奮に関与します。気管支拡張には関係が薄いです。
- 2. 正解。抗コリン薬である気管支拡張剤は、気管支平滑筋のムスカリンM3受容体を遮断することで、副交感神経系の興奮による気管支収縮を抑制し、気管支を拡張させます。これが正しい作用機序です。
- 3. α受容体は主に血管収縮や瞳孔散大、消化管平滑筋の収縮に関与しており、気管支拡張剤の主要な標的ではありません。むしろ、気管支平滑筋にはα1受容体が存在し、刺激されると収縮します。 正しくは:α受容体に作用する薬は、主に血管収縮や血圧上昇、または前立腺肥大症治療などに用いられます。
- 4. 正解。β受容体のうち、β2受容体は気管支平滑筋に豊富に存在し、刺激されると気管支を拡張させます。β2刺激薬も気管支拡張剤として広く用いられますが、本問題は「気管支拡張剤が作用する受容体はどれか」と一般的な表現のため、β2受容体も正しい選択肢になり得ますが、選択肢2のムスカリン受容体もまた重要な標的です。もし選択肢が一つしか選べない場合、問題文の文脈で特定の薬を指していない限り、より広くカバーする答えを選ぶ必要がありますが、本問の正答は2です。 正しくは:β2受容体は気管支拡張の重要な標的であり、β2刺激薬として気管支喘息やCOPDの治療に用いられます。
国試ポイント
気管支拡張薬の作用機序と、関連する受容体の種類(特にムスカリン受容体とβ2受容体)を理解することが重要です。
混同注意
気管支拡張薬には、ムスカリン受容体拮抗薬(抗コリン薬)とβ2受容体刺激薬の2系統があり、それぞれ異なる受容体に作用します。ニコチン受容体は骨格筋や神経節に存在し、気管支拡張作用とは直接関係ありません。α受容体は血管収縮や平滑筋収縮に関与しますが、気管支拡張には主要な役割を持ちません。
次に同じ論点が出たら
気管支拡張剤と聞かれた場合、それが抗コリン薬なのかβ2刺激薬なのかを念頭に置き、それぞれが作用する受容体の種類(ムスカリン受容体またはβ2受容体)に注目して判断します。
覚え方
気管支拡張剤と聞かれた場合、それが抗コリン薬なのかβ2刺激薬なのかを念頭に置き、それぞれが作用する受容体の種類(ムスカリン受容体またはβ2受容体)に注目して判断します。
対になる知識
気管支拡張薬には、ムスカリン受容体拮抗薬(抗コリン薬)とβ2受容体刺激薬の2系統があり、それぞれ異なる受容体に作用します。ニコチン受容体は骨格筋や神経節に存在し、気管支拡張作用とは直接関係ありません。α受容体は血管収縮や平滑筋収縮に関与しますが、気管支拡張には主要な役割を持ちません。
関連知識
気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬として、短時間作用型・長時間作用型の抗コリン薬(例:イプラトロピウム、チオトロピウム)やβ2刺激薬(例:サルブタモール、ホルモテロール)が用いられます。これらの薬は、それぞれ異なる受容体を標的とすることで、気管支を拡張させます。副交感神経刺激は気管支収縮を引き起こすため、それを遮断する抗コリン薬は気管支拡張作用を持ちます。