身体の広範囲にわたる侵害刺激が、遠隔部位の侵害刺激に対する疼痛閾値を上昇させる、全身性の鎮痛効果を持つ現象はどれか。
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正解は2番
解説
広汎性侵害抑制調節(DNIC/CPM)は、身体のある部位に強い侵害刺激を与えた際、それとは異なる遠隔部位の疼痛閾値が上昇し、痛みが抑制される現象である。この鎮痛効果は全身性に及ぶという特徴を持つ。
選択肢ごとの解説
- 1. 脊髄前角細胞は骨格筋を支配する運動ニューロンであり、疼痛抑制メカニズムに直接関与するものではない。
- 2. 正解。広汎性侵害抑制調節(DNIC/CPM)は、身体のある部位に強い侵害刺激を与えた際、それとは異なる遠隔部位の疼痛閾値が上昇し、痛みが抑制される現象である。この鎮痛効果は全身性に及ぶという特徴を持つ。
- 3. 下行性疼痛抑制系は、脳幹から脊髄後角へ下行する神経経路(セロトニンやノルアドレナリンなどを介する)を指し、脳幹が主導する上位からの抑制機構である。
- 4. ゲートコントロール説は、脊髄後角のゼラチン質において、触圧覚(Aβ線維)の入力が痛覚(Aδ・C線維)の伝達を同分節レベルで抑制する機序であり、全身性の遠隔抑制ではない。
国試ポイント
疼痛抑制メカニズムの分類(ゲートコントロール説、下行性疼痛抑制系、DNIC/CPM)の違いを問う問題が頻出する。「全身性の遠隔抑制」「異所性鎮痛」といえば広汎性侵害抑制調節(DNIC/CPM)を選ぶ。
覚え方
広汎性 = 「広範囲(全身)」の抑制と覚える。
対になる知識
脊髄の後角レベルにおける局所的な痛みの抑制はゲートコントロール説として説明され、中脳や延髄などの上位中枢を介する鎮痛機序は下行性疼痛抑制系と呼ばれる。これらに対して、身体の広範囲な侵害刺激による全身性の異所性鎮痛は広汎性侵害抑制調節である。
関連知識
DNIC(Diffuse Noxious Inhibitory Controls)は動物実験用語、CPM(Conditioned Pain Modulation)はヒトの実験で用いられる同義の概念である。鍼鎮痛の機序の一部としても説明に用いられる。