大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭置換術後のリハビリテーションで、最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
人工骨頭置換術後のリハビリテーションでは、術後の合併症(脱臼など)に注意しつつ、早期からの機能回復を目指します。大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭置換術は、骨癒合を待つ必要がないため、術後早期からの荷重訓練が可能であり、これにより廃用症候群の予防と早期の社会復帰が促進されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 術直後からの患側下肢の抵抗運動は、人工股関節に過度な負担をかけ、脱臼や疼痛増強のリスクがあるため適切ではありません。まずは関節可動域訓練や筋力維持のための等尺性運動から開始するのが一般的です。 正しくは:術直後には、脱臼肢位を避け、関節可動域訓練や等尺性運動から開始する。
- 2. 極超短波療法は深部組織を加温する温熱療法であり、人工関節に使用すると金属部分が過度に加熱され、熱傷や組織損傷を引き起こす危険性があるため禁忌です。疼痛緩和には、氷冷や薬物療法などが用いられます。 正しくは:術後疼痛緩和には、氷冷や薬物療法などを用いる。人工関節に対する温熱療法は金属の過熱リスクがあるため避ける。
- 3. 患側股関節の回旋運動、特に内旋は人工股関節の脱臼肢位の一つであり、術後早期には避けるべき運動です。脱臼リスクを低減するため、股関節の過度な内旋、内転、屈曲は制限されます。 正しくは:患側股関節の過度な回旋運動、特に内旋は脱臼のリスクがあるため避ける。脱臼肢位に注意しながら関節可動域訓練を行う。
- 4. 正解。大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭置換術では、骨癒合を待つ必要がなく、人工関節が骨と直接固定されるため、術後早期から荷重訓練を開始できます。これにより、下肢筋力の維持、廃用症候群の予防、ADL能力の早期向上に繋がります。
国試ポイント
人工股関節置換術後のリハビリテーションにおける禁忌肢位と早期荷重の原則を理解することが重要です。特に、セメント固定の場合は術直後から全荷重、非セメント固定の場合は部分荷重から開始し、徐々に全荷重へと移行します。
混同注意
骨接合術(内固定術)と人工骨頭置換術後の荷重開始時期の区別。骨接合術では骨癒合が必要なため、荷重開始が遅れることがあります。
次に同じ論点が出たら
人工関節置換術後のリハビリテーション問題が出た場合、まず術式(人工骨頭置換術か、骨接合術か)を確認し、次にその術式における荷重制限の有無と禁忌肢位を判断基準とします。
覚え方
人工関節置換術後のリハビリテーション問題が出た場合、まず術式(人工骨頭置換術か、骨接合術か)を確認し、次にその術式における荷重制限の有無と禁忌肢位を判断基準とします。
対になる知識
骨接合術(内固定術)と人工骨頭置換術後の荷重開始時期の区別。骨接合術では骨癒合が必要なため、荷重開始が遅れることがあります。
関連知識
人工股関節置換術後の禁忌肢位(股関節の過屈曲、過内転、内旋)とその理由、脱臼リスク因子。セメント固定と非セメント固定の違い、それぞれの荷重開始の目安。術後の疼痛管理とADL指導。