55歳の男性。夕食にしめさばを食べ就寝したところ1時間半後に強い心窩部痛で覚醒、救急搬送された。下痢は認めなかった。 本疾患の発症について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
アニサキスは線虫の一種であり、魚介類の内臓に寄生しています。ヒトがアニサキス幼虫が寄生した生鮮魚介類を生食することで、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に侵入し、激しい腹痛や悪心、嘔吐などの症状を引き起こします。アニサキス幼虫は熱に弱く(60℃で1分以上)、また低温にも弱く(-20℃で24時間以上または-30℃で4時間以上)で死滅することが知られており、これらの処理を施すことで感染を予防できます。よって、-20℃、48時間冷凍は、アニサキス幼虫の死滅に十分な時間であり、予防策として有効です。
選択肢ごとの解説
- 1. イカはアニサキスが寄生する代表的な魚介類の一つであり、生食によりアニサキス症を発症するリスクがあります。特に内臓に多く寄生しており、内臓を生食したり、内臓から筋肉へ幼虫が移行したものを生食すると感染源となります。 正しくは:イカの生食でも発症する。
- 2. アニサキス症は、アニサキス幼虫が生きたまま体内に取り込まれることで発症する寄生虫疾患です。一度発症しても免疫は獲得されません。そのため、アニサキス幼虫が寄生した魚介類を再び生食すれば、何度でも罹患する可能性があります。 正しくは:一度発症しても再度罹患する可能性がある。
- 3. 正解。アニサキス幼虫は、-20℃で24時間以上または-30℃で4時間以上の冷凍により死滅することが確認されています。したがって、-20℃で48時間の冷凍はアニサキス幼虫を死滅させるのに十分な条件であり、アニサキス症の予防法として適切です。
- 4. アニサキス症は、アニサキス属の線虫の幼虫が原因で発症する寄生虫感染症であり、細菌感染症ではありません。そのため、抗菌薬は治療に効果がありません。 正しくは:寄生虫感染症である。
国試ポイント
アニサキス症の感染経路、原因となる食材、および予防法(加熱、冷凍の条件)について覚えることが重要です。特に冷凍温度と時間はよく問われます。
混同注意
アニサキス症は細菌性食中毒と混同されやすいですが、アニサキスは寄生虫(線虫)による感染症であり、抗菌薬は無効です。また、食中毒の種類(細菌性、ウイルス性、自然毒、化学物質、寄生虫)を区別できるようにしておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次にアニサキス症の予防法について問われた場合は、加熱や冷凍の具体的な温度と時間の条件(-20℃で24時間以上、60℃で1分以上)が提示されているかを確認して判断します。
覚え方
次にアニサキス症の予防法について問われた場合は、加熱や冷凍の具体的な温度と時間の条件(-20℃で24時間以上、60℃で1分以上)が提示されているかを確認して判断します。
対になる知識
アニサキス症は細菌性食中毒と混同されやすいですが、アニサキスは寄生虫(線虫)による感染症であり、抗菌薬は無効です。また、食中毒の種類(細菌性、ウイルス性、自然毒、化学物質、寄生虫)を区別できるようにしておく必要があります。
関連知識
アニサキス症の主な症状は食後数時間以内の激しい腹痛、悪心、嘔吐です。診断は内視鏡による虫体の確認・摘出が確実であり、これが治療にもなります。魚介類を生で提供する際は、目視で確認し除去するなどの対策も必要です。