次の徒手検査法と同様の病態を確認する検査はどれか。「肘関節伸展のまま肩関節を伸展すると肩関節前面に痛みが誘発され、この状態から肘関節を屈曲すると痛みが消失した。」
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
問題文の「肘関節伸展のまま肩関節を伸展すると肩関節前面に痛みが誘発され、この状態から肘関節を屈曲すると痛みが消失した」という所見は、上腕二頭筋長頭腱の伸張による痛みの誘発と、肘関節屈曲による弛緩での疼痛消失を示唆しており、これは上腕二頭筋長頭腱炎に特徴的な症状である。スピードテストは、肩関節屈曲位で肘関節伸展位に対して抵抗を加え、上腕二頭筋長頭腱に負荷をかけることで疼痛を誘発する検査であり、同様に上腕二頭筋長頭腱の病態を確認する。
選択肢ごとの解説
- 1. ライトテストは、小胸筋の過緊張による神経血管束の圧迫(胸郭出口症候群)を評価する検査であり、上肢を外転・外旋させ、橈骨動脈の拍動の変化を確認する。問題文の所見とは異なる病態を確認する。 正しくは:小胸筋による神経血管束の圧迫を評価する。橈骨動脈の拍動減弱や消失を確認する。
- 2. 正解。スピードテストは、肘関節伸展位で肩関節を屈曲させ、術者が上腕骨遠位部に抵抗を加えてもらい、患者に肩関節をさらに屈曲させてもらう。この際に上腕二頭筋長頭腱部に疼痛が誘発されることで陽性となる。問題文の「肘関節伸展のまま肩関節を伸展すると肩関節前面に痛みが誘発され、この状態から肘関節を屈曲すると痛みが消失した」という所見と合致しており、上腕二頭筋長頭腱炎を強く示唆するため、同様の病態を確認する検査である。
- 3. ダウバーンサインは、三角筋停止部または腱板部の圧痛点が、肩関節外転時に移動して消失するかどうかを確認する検査である。滑液包炎や腱板損傷の炎症範囲の評価に用いられ、上腕二頭筋長頭腱炎とは異なる病態を確認する。 正しくは:肩関節外転時の圧痛点の移動を確認する検査。滑液包炎や腱板損傷の評価に用いる。
- 4. ペインフルアークサインは、肩関節を自動外転していく際に、特定の角度(一般的に60度から120度)で疼痛が誘発される検査であり、肩峰下インピンジメント症候群や回旋筋腱板炎、腱板損傷を示唆する。問題文の所見とは関連性が低い。 正しくは:肩関節自動外転時の特定角度での疼痛誘発を確認する検査。肩峰下インピンジメント症候群や回旋筋腱板炎、腱板損傷の評価に用いる。
国試ポイント
上腕二頭筋長頭腱炎の理学所見と、それを確認するための徒手検査法(スピードテストなど)を関連付けて覚える。
混同注意
上腕二頭筋長頭腱炎に関連する検査と、他の肩関節疾患(インピンジメント症候群、回旋筋腱板損傷、石灰性腱炎など)に関連する検査を混同しないように注意する。特に、肩関節前面の痛みを誘発する検査は多岐にわたるため、動作による疼痛の変化で鑑別することが重要である。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、問題文中の「どの動作で、どこに、どのような痛みが生じるか」という所見に注目し、特定の筋肉や腱の伸張、圧迫、または収縮によって痛みが誘発されるかを判断する。特に肘関節の屈伸が肩関節の痛みに影響を与える場合は、上腕二頭筋長頭腱が関連している可能性が高い。
覚え方
同様の論点が出題された場合、問題文中の「どの動作で、どこに、どのような痛みが生じるか」という所見に注目し、特定の筋肉や腱の伸張、圧迫、または収縮によって痛みが誘発されるかを判断する。特に肘関節の屈伸が肩関節の痛みに影響を与える場合は、上腕二頭筋長頭腱が関連している可能性が高い。
対になる知識
上腕二頭筋長頭腱炎に関連する検査と、他の肩関節疾患(インピンジメント症候群、回旋筋腱板損傷、石灰性腱炎など)に関連する検査を混同しないように注意する。特に、肩関節前面の痛みを誘発する検査は多岐にわたるため、動作による疼痛の変化で鑑別することが重要である。
関連知識
上腕二頭筋長頭腱炎の他の徒手検査法としてヤーガソンテストやパームアップテストがある。また、肩関節疾患では、インピンジメント症候群(ホーキンズ・ケネディテスト、ニアテスト)、回旋筋腱板損傷(ドロップアームテスト)、肩関節不安定症(前方引き出しテスト)など、主要な疾患ごとの特異的検査を理解しておく。