次の症例で最も適切な疾患はどれか。「50歳の男性。数日前から右の耳に痛みがあり、しばらくして難聴、同側の表情筋の麻痺と外耳孔の水疱が出現。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ラムゼイハント症候群は、水痘・帯状疱疹ウイルスが膝神経節に再活性化することで、耳介とその周囲に帯状疱疹、同側の顔面神経麻痺(表情筋麻痺)、難聴、めまいを主症状として引き起こす疾患である。症例の「右の耳の痛み」「難聴」「同側の表情筋の麻痺」「外耳孔の水疱」という一連の症状は、まさにこの病態に合致する。
選択肢ごとの解説
- 1. 脳幹梗塞では、顔面神経麻痺や難聴が生じることがあるが、外耳孔の水疱を伴うことは極めて稀であり、症例の一連の症状とは合致しない。 正しくは:脳幹梗塞は、画像診断(MRIなど)で脳幹の病変が確認され、外耳孔水疱は伴わない。
- 2. ベル麻痺は特発性の顔面神経麻痺であり、耳介周囲に水疱を形成することはなく、通常、強い耳痛も伴わない点で本症例とは異なる。 正しくは:ベル麻痺は顔面神経麻痺のみを主症状とし、外耳孔の水疱や強い耳痛は伴わない。
- 3. 聴神経腫瘍は進行性の難聴や平衡感覚障害を呈するが、急性期の強い耳痛や外耳孔の水疱、急性発症の表情筋麻痺は典型的ではない。 正しくは:聴神経腫瘍は緩徐進行性の片側難聴、耳鳴、めまいが主症状であり、画像診断(MRIなど)で腫瘍が確認される。
- 4. 正解。ラムゼイハント症候群は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化により、膝神経節が障害され、耳介周囲の帯状疱疹(水疱)、顔面神経麻痺、難聴、めまいを主症状とする。症例の「数日前からの右耳の痛み」「難聴」「同側の表情筋の麻痺」「外耳孔の水疱」は、この疾患の典型的な症状と完全に合致する。
国試ポイント
ラムゼイハント症候群の典型的な症状(耳痛、水疱、顔面神経麻痺、聴覚・平衡感覚障害)とその病態(水痘・帯状疱疹ウイルスの膝神経節再活性化)を覚える。
混同注意
ベル麻痺も顔面神経麻痺を呈するが、耳介の水疱や強い耳痛を伴わない点で鑑別する。聴神経腫瘍は難聴を主症状とするが、顔面神経麻痺は通常進行性で水疱を伴わない。脳幹梗塞は多岐にわたる神経症状を呈するが、顔面神経麻痺と耳介水疱の組み合わせは典型的ではない。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、「耳の痛み」「難聴」「顔面神経麻痺」「外耳孔の水疱」の4つが揃っていれば、ラムゼイハント症候群を第一に考える。
覚え方
同様の問題が出題された場合、「耳の痛み」「難聴」「顔面神経麻痺」「外耳孔の水疱」の4つが揃っていれば、ラムゼイハント症候群を第一に考える。
対になる知識
ベル麻痺も顔面神経麻痺を呈するが、耳介の水疱や強い耳痛を伴わない点で鑑別する。聴神経腫瘍は難聴を主症状とするが、顔面神経麻痺は通常進行性で水疱を伴わない。脳幹梗塞は多岐にわたる神経症状を呈するが、顔面神経麻痺と耳介水疱の組み合わせは典型的ではない。
関連知識
顔面神経麻痺を来す疾患として、ベル麻痺(特発性)、ラムゼイハント症候群、中耳炎による麻痺、脳腫瘍(聴神経腫瘍など)、脳血管障害、外傷などを鑑別できるよう関連付けて覚える。治療は抗ウイルス薬が中心となることも押さえる。