次の症例に対し、難経六十九難に基づき補法を行う治療穴はどれか。「82歳の女性。主訴は尿漏れ。くしゃみをしたり、重い荷物を持ったりするときに起こる。尿の回数は多く、足腰のだるさ、倦怠感を伴う。」
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出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
症例は82歳女性で、くしゃみや重い荷物で誘発される尿漏れ、頻尿、足腰のだるさ、倦怠感を呈しており、腎気虚を主とする脾腎両虚証と判断される。難経六十九難の「虚すればその母を補う」という原則に基づき、腎経の母子関係を考えると、腎経の母にあたるのは金穴である復溜(腎経の金穴)である。金生水の関係により、肺(金)は腎(水)の母であるため、腎虚に対しては腎経の金穴である復溜を補法として用いることで、腎の機能を補益する。
選択肢ごとの解説
- 1. 足臨泣は胆経の輸土穴であり、胆経の気穴でもある。難経六十九難の腎虚に対する補法としては不適切である。 正しくは:腎虚を補うには腎経の母穴である復溜(金穴)を用いるべき。
- 2. 曲泉は肝経の合水穴である。肝経の合穴は実証に対する瀉法に用いられることはあるが、腎虚に対する補法としては適切ではない。 正しくは:腎虚を補うには腎経の母穴である復溜(金穴)を用いるべき。
- 3. 束骨は膀胱経の輸木穴である。膀胱経の虚実には関連するが、腎虚を補う難経六十九難の原則に基づく治療穴ではない。 正しくは:腎虚を補うには腎経の母穴である復溜(金穴)を用いるべき。
- 4. 正解。復溜は腎経の金穴であり、五行学説において金は水の母である。したがって、難経六十九難の「虚すればその母を補う」という原則に基づき、腎の虚証である本症例に対し、腎経の母穴である復溜を補法として用いることは適切である。
国試ポイント
難経六十九難の補瀉原則「虚すればその母を補い、実すればその子を瀉す」の理解と、五行穴の母子関係を正確に把握しているか。特に腎虚に対する補法として腎経の金穴を適用できるか。
混同注意
五行穴の補瀉と子母補瀉の使い分け、および各経絡における五行穴の正確な位置と属性(例:腎経の金穴は復溜、水穴は陰谷)。脾腎両虚の治療方針で、脾経の母子関係と腎経の母子関係を混同しないこと。
次に同じ論点が出たら
難経六十九難に基づく治療穴の選定問題では、まず症例の病態を虚実で判断し、次に五臓の母子関係と五行穴の属性を正確に結びつけて、適切な補瀉穴を選べるかを確認する。
覚え方
難経六十九難に基づく治療穴の選定問題では、まず症例の病態を虚実で判断し、次に五臓の母子関係と五行穴の属性を正確に結びつけて、適切な補瀉穴を選べるかを確認する。
対になる知識
五行穴の補瀉と子母補瀉の使い分け、および各経絡における五行穴の正確な位置と属性(例:腎経の金穴は復溜、水穴は陰谷)。脾腎両虚の治療方針で、脾経の母子関係と腎経の母子関係を混同しないこと。
関連知識
五行学説における相生相克関係、難経六十九難の「虚すときにはその母を補い、実するときにはその子を瀉す」原則、五臓の母子関係(例:腎の母は肺、脾の母は心)、五行穴(井・滎・輸・経・合穴)の属性(木・火・土・金・水)。