鉄欠乏性貧血に対し鉄剤を投与した際、治療効果として一時的に増加するのはどれか。
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正解は3番
解説
鉄欠乏性貧血の治療として鉄剤を投与すると、骨髄でのヘモグロビン合成および赤血球産生が急速に促進される。そのため、骨髄から末梢血へ放出される未熟な赤血球である網状赤血球の数が一時的に増加する。
選択肢ごとの解説
- 1. 血清フェリチンは貯蔵鉄を反映する指標であり、治療初期には鉄の補充が不十分であるため直ちに著増するものではない。
- 2. 総鉄結合能(TIBC)は体内の鉄が不足している鉄欠乏性貧血で高値を示すが、鉄剤投与による造血改善に伴い正常化方向へ低下する。
- 3. 正解。鉄欠乏性貧血の治療として鉄剤を投与すると、骨髄でのヘモグロビン合成および赤血球産生が急速に促進される。そのため、骨髄から末梢血へ放出される未熟な赤血球である網状赤血球の数が一時的に増加する。
- 4. ビリルビンはヘモグロビンの代謝産物であり、溶血性貧血などで増加するが、鉄欠乏性貧血の治療効果判定の直接の指標としては用いられない。
国試ポイント
鉄剤投与後の効果判定において「網状赤血球の一時的増加」が起こる機序は国家試験の頻出ポイントである。
覚え方
鉄(テ)剤 = 点滴で網(アミ)が張る(網状赤血球)
対になる知識
網状赤血球は骨髄で産生され末梢血に放出されたばかりの若い赤血球であり、造血機能が活性化している指標となる。鉄欠乏性貧血への鉄剤投与が有効に働くと、造血の改善を反映して一時的に網状赤血球の一過性増加がみられる。
関連知識
鉄欠乏性貧血は赤血球中のヘモグロビン合成障害により小球性低色素性貧血を呈する。生体内での鉄不足を反映して血清鉄や血清フェリチンの低下、総鉄結合能(TIBC)の著明な増加がみられるのが典型的な臨床検査所見である。治療として鉄剤を投与すると造血が活発化し、まず末梢血中の網状赤血球が一過性に増加する。その後ヘモグロビン値や赤血球数が正常化し、貯蔵鉄であるフェリチンが回復する経過をたどるため、これらの動態をセットで理解しておく必要がある。