次の徒手検査はどれか。「患者を背臥位にして、股関節・膝関節屈曲90度から膝関節のみをゆっくりと伸展させ、下肢後面に疼痛が誘発されるかを確認する。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ラセーグテストは、患者を背臥位で股関節90度、膝関節90度に屈曲させた状態から、ゆっくりと膝関節を伸展させていき、その際に坐骨神経の走行に沿った下肢後面への放散痛が誘発されるかを評価する。このテストは坐骨神経の伸張性を確認するものであり、神経根性の圧迫や炎症、特に腰部椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛の診断に有用である。テスト陽性は、股関節屈曲角度や膝関節伸展角度によって評価され、疼痛誘発時の角度が重要視される。
選択肢ごとの解説
- 1. トーマステストは、股関節屈筋群の短縮を評価するテストである。患者を仰臥位にし、健側の股関節・膝関節を最大屈曲させて保持させ、その際に反対側の股関節が屈曲位となるかどうかを確認する。問題文の記述とは操作が異なるため誤り。 正しくは:トーマステストは、患者を仰臥位にし、健側の股関節・膝関節を最大屈曲させて保持させ、その際に反対側の股関節がベッド面から浮き上がるかどうかで、股関節屈筋群(特に腸腰筋)の短縮を評価する。
- 2. 正解。問題文の「患者を背臥位にして、股関節・膝関節屈曲90度から膝関節のみをゆっくりと伸展させ、下肢後面に疼痛が誘発されるかを確認する」という記述は、ラセーグテストの標準的な実施方法と完全に一致する。
- 3. ボンネットテストは、ラセーグテストに加えて股関節を内旋させることで、梨状筋による坐骨神経の圧迫や刺激を鑑別するテストである。問題文には股関節の内旋操作の記載がないため、ボンネットテストではない。 正しくは:ボンネットテストは、ラセーグテスト陽性の場合に、さらに股関節を他動的に内旋させることで梨状筋の伸張を加え、下肢後面の疼痛が増強するかを確認する。梨状筋症候群の診断に有用とされる。
- 4. ブラガードテストは、ラセーグテスト陽性の場合に、さらに足関節を背屈させることで神経組織の伸張を強め、神経根性の疼痛を誘発するかを確認するテストである。問題文には足関節の背屈操作の記載がないため、ブラガードテストではない。 正しくは:ブラガードテストは、ラセーグテスト陽性の場合に、下肢を挙上した状態から足関節を他動的に背屈させ、坐骨神経痛が増強するかを確認する。神経根性の障害をより特異的に誘発する。
国試ポイント
腰椎疾患における神経学的検査法とその診断的意義を覚える。特に、坐骨神経痛を誘発する下肢伸展挙上(SLR)系のテストと、そのバリエーション(ラセーグ、ブラガード、ボンネット)の違いを理解することが重要である。
混同注意
ラセーグテストとSLRテスト(Straight Leg Raising Test)は、ともに坐骨神経の伸張性を評価するが、開始肢位が異なる。SLRは下肢全体を挙上するのに対し、ラセーグテストは股関節と膝関節を90度屈曲した状態から膝を伸展させる点で区別される。また、ボンネットテストは他動的な股関節内旋を加える点でラセーグテストと異なる。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各徒手検査の具体的な肢位と操作、そしてどの神経(または組織)のどの病態を評価しているのか(例:坐骨神経痛、大腿神経痛、股関節屈筋群の短縮など)を正確に判断する。
覚え方
同様の問題が出た場合、各徒手検査の具体的な肢位と操作、そしてどの神経(または組織)のどの病態を評価しているのか(例:坐骨神経痛、大腿神経痛、股関節屈筋群の短縮など)を正確に判断する。
対になる知識
ラセーグテストとSLRテスト(Straight Leg Raising Test)は、ともに坐骨神経の伸張性を評価するが、開始肢位が異なる。SLRは下肢全体を挙上するのに対し、ラセーグテストは股関節と膝関節を90度屈曲した状態から膝を伸展させる点で区別される。また、ボンネットテストは他動的な股関節内旋を加える点でラセーグテストと異なる。
関連知識
腰椎椎間板ヘルニアの診断には、ラセーグテストの他、下肢伸展挙上テスト(SLRテスト)、ブラガードテスト、FNSテスト、大腿神経伸展テスト(FNST)などが行われる。SLRテストで陽性となる角度、疼痛部位、随伴症状(筋力低下、感覚障害、腱反射異常)を総合的に判断する。大腿神経を評価するテストには、伏臥位での膝関節屈曲テストがある。