次の症例で絞扼部位近傍への治療穴として適切なのはどれか。「17歳の女子。受験勉強で問題集に書き込みながら問題を数多く解いているうちに、手背を除く利き手の尺側にしびれを感じるようになった。フロマン徴候陽性。」
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
フロマン徴候陽性であることから、尺骨神経麻痺が示唆される。問題文の症状(手背を除く利き手の尺側しびれ)は、尺骨神経が支配する領域である。特に受験勉強で手を使う動作が尺骨神経の絞扼を招いたと考えられる。神門は手関節尺側に位置し、尺骨神経がその近傍を走行するため、絞扼部位の治療穴として適切である。
選択肢ごとの解説
- 1. 手五里は肘関節外側、上腕骨外側上顆上方に位置し、大腸経の経穴である。主に上肢の運動器疾患や顔面部の疾患に用いられるが、尺骨神経の絞扼部位治療には直接関連が薄い。 正しくは:尺骨神経絞扼部位近傍ではないため、不適切。
- 2. 孔最は前腕橈側、太淵と尺沢を結ぶ線上にある肺経の経穴である。肺疾患や出血性の疾患、前腕痛などに用いられるが、尺骨神経の絞扼部位治療には適さない。 正しくは:尺骨神経絞扼部位近傍ではないため、不適切。
- 3. 小海は肘関節尺側、肘頭と上腕骨内側上顆の間にある小窩に位置する小腸経の経穴である。尺骨神経がこの部を走行し、肘部管症候群の治療穴として重要である。しかし、問題文では「問題集に書き込みながら問題を数多く解いているうちに、手背を除く利き手の尺側にしびれ」とあり、手関節レベルでの絞扼が示唆されるため、肘関節部は最も適切な部位とは言えない。 正しくは:肘部管症候群であれば適切な治療穴だが、手関節レベルの絞扼が示唆されるため、より遠位の経穴が適切。
- 4. 正解。神門は手関節尺側、豆状骨橈側陥凹部にある心経の経穴である。この部位はギヨン管の出口に近く、尺骨神経浅枝と深枝が分岐する付近であり、手関節部での尺骨神経絞扼(ギヨン管症候群)の治療穴として適切である。問題文の症状とフロマン徴候陽性から、手関節部の尺骨神経絞扼が最も疑われるため、神門が適切な治療穴となる。
国試ポイント
尺骨神経の走行、支配領域、および関連する絞扼部位と治療穴を理解すること。
混同注意
手根管症候群(正中神経障害)とギヨン管症候群(尺骨神経障害)の鑑別。症状の部位と神経支配領域で判断する。
次に同じ論点が出たら
同様の症例が出題された場合、症状の部位(特にしびれの範囲)と神経所見(フロマン徴候など)から原因神経を特定し、その神経の絞扼部位に該当する治療穴を選択する。
覚え方
同様の症例が出題された場合、症状の部位(特にしびれの範囲)と神経所見(フロマン徴候など)から原因神経を特定し、その神経の絞扼部位に該当する治療穴を選択する。
対になる知識
手根管症候群(正中神経障害)とギヨン管症候群(尺骨神経障害)の鑑別。症状の部位と神経支配領域で判断する。
関連知識
ギヨン管症候群は手関節部の尺骨神経絞扼障害であり、フロマン徴候やティネル徴候が陽性となることがある。尺骨神経支配筋(母指内転筋、小指球筋など)の筋力低下も認められる。主な治療穴としては、小海、支正、神門、後谿などが挙げられる。