67歳の男性。主訴は動作時の呼吸困難。痩せて樽状胸郭を呈している。呼吸機能検査で1秒率の低下、胸部エックス線検査で肺野の透過性亢進を認めた。ブリンクマン指数は940。 定喘穴に対する2Hzの持続的な鍼通電療法により呼吸困難が改善した。中枢を介した呼吸困難の改善に最も関与すると考えられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:公益財団法人東洋療法研修試験財団ホームページ(過去の試験問題等)。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
鍼通電療法による鎮痛・症状改善効果には、内因性オピオイドの関与が大きく、特に低頻度(2Hzなど)の通電ではb-エンドルフィンが選択的に遊離され、中枢神経系を介して呼吸困難の改善に寄与すると考えられるため。
選択肢ごとの解説
- 1. メラトニンは睡眠や概日リズムの調節に関与するホルモンであり、呼吸困難の直接的な改善には関与しない。 正しくは:メラトニンは睡眠導入や概日リズム調整に関わるホルモンである。
- 2. ナロキソンはオピオイド受容体拮抗薬であり、オピオイドの効果を阻害するため、呼吸困難の改善には寄与しない。むしろオピオイドによる呼吸抑制の治療に用いられる。 正しくは:ナロキソンはオピオイドの効果を拮抗し阻害する薬物である。
- 3. ノシセプチン(オピオイド様ペプチド)は痛みや不安に関与するが、b-エンドルフィンのように鍼通電療法による呼吸困難改善の主要な機序として知られていない。 正しくは:ノシセプチンはオピオイド受容体様タンパク質(ORL1)に作用し、鎮痛やストレス応答に関与する。
- 4. 正解。鍼通電療法において2Hzの低頻度刺激は、b-エンドルフィンの遊離を促進し、中枢神経系を介した鎮痛・症状改善効果、特に呼吸困難の改善に深く関与することが知られている。
国試ポイント
鍼通電療法における周波数と内因性オピオイドの種類との関連、およびそれらが中枢神経系を介して生体に与える影響を理解する。
混同注意
鍼通電療法における高頻度(100Hz)と低頻度(2Hz)の刺激の違いで、遊離される内因性オピオイドの種類が異なる点を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
鍼通電療法の周波数と、それが遊離させる内因性オピオイドの種類、およびそのオピオイドが関与する生体反応の組み合わせを問う問題が出た場合、低頻度刺激ではb-エンドルフィン、高頻度刺激ではエンケファリン・ダイノルフィンが関与すると判断する。
覚え方
鍼通電療法の周波数と、それが遊離させる内因性オピオイドの種類、およびそのオピオイドが関与する生体反応の組み合わせを問う問題が出た場合、低頻度刺激ではb-エンドルフィン、高頻度刺激ではエンケファリン・ダイノルフィンが関与すると判断する。
対になる知識
鍼通電療法における高頻度(100Hz)と低頻度(2Hz)の刺激の違いで、遊離される内因性オピオイドの種類が異なる点を混同しやすい。
関連知識
高頻度(100Hz)の鍼通電療法では、エンケファリンやダイノルフィンが主に遊離される。オピオイド受容体にはμ、δ、κなどがあり、それぞれb-エンドルフィン、エンケファリン、ダイノルフィンが主要なリガンドである。